ゴリ押しの東京五輪は中止! 福島を踏みにじる実態

11月8日の国際体操競技会への抗議アピール原宿駅前・神宮橋

11月8日の国際体操競技会への抗議アピール。原宿駅前・神宮橋(写真:Twitter for 金蜜@mkimpo_kid)

11月13日に東京・文京区民センターで「今こそ中止だ!東京五輪 11・13集会」が開催された。主催は「オリンピックおことわリンク」と反五輪の会。

日本の安倍晋三内閣総理大臣(当時)は3月24日の記者会見で、2020東京五輪大会の1年程度延期を決定したと発表した。そもそも、この発表がされる前から新型コロナウイルスの影響で、さまざまなスポーツイベント、東京五輪出場を懸けた予選などが中止・延期となっていた。それでも東京五輪大会を中止ではなく、延期としたことについては、安倍首相(当時)が、G7の首脳によるテレビ電話会議「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ証として東京オリンピック・パラリンピックを完全な形で実現」することに支持された、と語っていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/08ffd7f67230fbd043b45c466153b6050178003a
その後、安倍が退陣し菅首相になってからも同様の意見を繰り返している。2021年の五輪開催は自民党と公明党の現政権にとって延命と支持や基盤の強化に必要なものであり、東京五輪大会実現へ遮二無二進む流れをみると、政府・マスコミや企業が一体となったまさにファッシズムともいうべき状況だ。

はじめに主催者を代表して鵜飼哲さん(おことわリンク)があいさつした。

反五輪に関して四年ほど活動してきた。政権・支配層は五輪を無理にでも開催しなければならないし、それが電通によって計画されてきた。福島原発事故との関連があり政治的意味がある。民衆の健康を踏みにじっているものが、原発から五輪へと強行されようとしている。近代オリンピックのはらむ問題が、今度は顕になったのではないか。今後とも中止と検証を求めていく。

藍原寛子さん(ジャーナリスト、元福島県地方紙記者)は、被災地である福島県内の聖火リレールートを取材したものを映像で紹介した。

東京五輪のために福島原発事故の被災地が利用され、被災地(J・ビレッジ)での聖火リレーが「原発事故の復興」と「東京五輪の成功」を結び付けるキャンペーンとして行われ、それに振り回されて民衆は疲弊してきた。そして作曲家古関裕而(福島出身)をNHK朝ドラの主人公として五輪に合わせて利用した。しかし古関は「軍歌の覇王」という陰があり、64年の五輪でも「オリンピック・マーチ」を作曲して、戦争からスポーツへの転用をしていた。彼の曲には国家の意思を咀嚼して利用されるものとなっている。オリンピックのための復興というのが福島の実態じゃないかと、そんななかでも異論を出している人はいるので繋がっていきたい、と話した。

連帯のあいさつが看護師の大利英明さん(労働組合・都庁職病院支部)からあり、予算も人も「オリパラ」のために強要される中で、勤務する病院で感染が発生し同じ部屋の患者、看護師に感染した例を挙げて、それが日本の医療・介護体制の脆弱・劣悪な状況から起きていることを指摘した。「オリパラ」にカネを使うのではなく命の危機を回避するために使うべきだ、と訴えた。

さらにスポーツジャーナリストの谷口源太郎さんからのメッセージが代読された。

宮崎俊郎さん(オリンピック災害おことわリンク)は2021東京五輪開催をめぐる構図と状況を説明。

全国の自治体から人を集めているが、さすがに無理が重なり現場が疲弊している。安倍を継承した菅政権が五輪強行を進め、警備・公安畑の杉田内閣官房副長官が中心となって顔認証の導入など危機管理・治安対策を計画し、検査体制も構築しようとしている。コロナ対策などに注意する必要がある、と語り。これまで原宿で国際体操競技大会への抗議行動でビラを配布したが反応は良く、理解されてきたと感じた、と今後の運動の可能性をみる。

最後に新宿の街宣・デモと五輪を中止を求める提起があった。
(本田一美)

抗議アピール原宿駅前・神宮橋

11月8日の国際体操競技会への抗議アピール。原宿駅前・神宮橋(写真:Twitter for 金蜜@mkimpo_kid)

「今こそ中止だ!東京五輪 11・13集会」チラシ

「今こそ中止だ!東京五輪 11・13集会」チラシ