日本は80年前の出来事に対する責務がある―南京事件を忘れるな!

首相官邸前で訴える

首相官邸前で訴える

12月13日は日本軍が中国・南京を占領した日だ。80年となる今年(2017年)は再び戦火を交えまいとする「日中戦争80年キャンペーン」が実施された。そして、占領する前日の12月12日(火)夕刻、日中戦争80年市民フォーラムの呼びかけで首相官邸前と外務省前で「南京事件を風化させない」行動が行われた。

寒風が吹き抜ける夕闇のなか首相官邸前で「南京大虐殺事件80年」「沈黙するな、安倍首相。日本政府として謝罪と悼みの言葉を」というパネルを掲げてアピールした。
さらに場所を外務省前に移して、帰宅途中の職員や労働者へも訴えた。おりしもフィリピンのマニラで慰安婦像が設置されて、日本大使館が抗議するというニュースが伝えられ、そのような不遜な対応を痛烈に批判した。

また、参加者からもそれぞれの想いを伝えるアピールが続き、最後に「南京大虐殺事件80年」「沈黙するな、安倍首相」「日本政府は謝罪と悼みの声明を」などコールをおこない、集会宣言と具体的要求を突きつけた。

日本政府への要求

1;安倍首相は南京大虐殺事件80年となる12月13日に声明を発表し、日本政府を代表して犠牲者の方々に謝罪と追悼を表明すること。

2;憲政記念館近辺に建設計画中の国立公文書館(北の丸公園より移設予定)に、日本の植民地支配と侵略戦争にかかわる資料室を設置し、広く人類全体の負の「遺産」として公開すること。

3;外務省ホームページの「南京事件」の項目に、当時の陸軍の中枢等が「南京大虐殺事件があった」と認識していた史料・証言を掲載し、一部国会議員にまで蔓延する「歴史改ざん主義」の拡大を防ぐよう対処すること。

13日には東京・全水道会館で「南京大虐殺80カ年 2017年東京証言集会」が開かれ200名が参加した。

いっぽう歴史改ざんを企む人々も都内で集会を開き、南京事件の否定・歪曲を目的とするため『自民党の稲田朋美元防衛相、山田宏参院議員、希望の党の松原仁元拉致問題担当相が講演し、それぞれ政府による対外発信の強化を提唱した』(「産経新聞」2017年12月14日)という。

日本が軍隊を外に出すためには。かつての軍隊の犯罪を消去すること、是が非でも「戦争の犯罪」を否定する必要がある、そのため躍起になって南京事件の犯罪を否定しようとする勢力がある。しかも他国の脅威を煽りそのために軍事力を強化しなければならないと偽装する。このような企みに反撃していこう。
(本田一美)

人民日報は南紀事件の日本の研究者・小野賢二さんを取材した記事を掲載している。小野さんは1988年から、南京大虐殺に関与した旧日本軍の元兵士の資料の発掘に努めている。人民網日本語版(2017年12月13日)


旧日本軍の元兵士・菅野嘉雄さんの1937年12月13-20日の日記(撮影・劉軍国)
人民網日本語版(2017年12月13日)
http://j.people.com.cn/n3/2017/1213/c94475-9304123.html

南京事件の生存者を伝える新聞一面(「広州日報」2017年12月13日)南京事件の生存者を伝える新聞一面(「広州日報」2017年12月13日)

南京事件の生存者を伝える新聞一面(「広州日報」2017年12月13日)


日本軍は1937年12月に南京に侵攻し、何の罪もない市民や武器を持たない兵士たち30万人以上を殺害した。南京大虐殺が発生してから今年で80年の月日が流れ、現在、名簿に登録されている生存者の数はすでに100人を満たない。歴史の証とするため、彼らの名前と顔を記録した。<新華網>(「広州日報」 2017年12月14日)

人民網日本語版(2017年12月13日)
http://j.people.com.cn/n3/2017/1213/c94638-9304067-2.html