「日の丸」は戦前の天皇制や国体と繋がる 「国旗等損壊罪」反対!

文京区民センターでの集会にはオンラインを含めて100名以上が参加
4月11日(土)夜、文京区民センターで、《「国旗等損壊罪」に反対する4.11集会》が開かれた。主催は、3月20日に結成された「国旗等損壊罪」反対連絡会。参加者は約90名で、オンラインは20名。
主催者の簡単なあいさつの後、講師の澤藤統一郎弁護士が講演。演題は《「国旗損壊罪」創設の危険を語る》。
レジュメタイトル
- 1はじめに――そして、おわりに
- 2アメリカ連邦最高裁判決の教訓
- 3問題の発端は、自維連立政権合意である。
- 4想定される「国旗」損壊罪法案とは
- 5罰則のない理念法も有害である。
- 6実は、現行法でも処罰は可能なのだ。
- 7現在の推進側の進行と世論動向
- 8刑罰と社会的同調圧力と―戦前の回顧から
1時間の講演の後も、質疑を受けて更に語られた。集会の後半では、遠方からの参加者として、大阪から来られた井前さんと山田さん、神奈川の外山さん、千葉の石井さんから発言があった。
続いて、リーフレット担当の那須さん、SNS担当のTさんから話があった。その後、根津さんが集会決議を読み上げ、拍手で確認した。最後に、伏見さんから署名提出行動や4.23国会前集会などの行動提起が行われた。深澤さんの団結がんばろうーで集会を終えた。
(文・写真 吉田晃)
以下は集会における講演要旨。

講演する澤藤統一郎弁護士
新たな国旗損壊罪(国章損壊罪)の設立について、罰則のない理念法であっても、それが人権侵害につながる可能性がある。罰則の有無に関わらず、このような法律が制定されることを批判する。それは極めて危険である。
現行法でも処罰可能な行為があるにも関わらず、新しい法律がどのような構成要件で何を処罰しようとしているのか、その実態を把握しよう。また、現時点で法案が国会に提出されていないが、危険な法案として早期の対応が必要だ。
さらに、刑罰だけが問題ではなく、このような法律が制定されることで、社会的な同調圧力が強まり、「国を愛する心」や「愛国」といった価値観の強制につながる危険性を指摘している。私も「非国民」や「国族」であり、天皇、日本国憲法における天皇の地位についても批判的だ。
国旗損壊罪の核心は、国旗が象徴する国家に対する冒涜行為を犯罪とすることにある。国家そのものへの直接的な冒涜は困難である一方、国旗という象徴に対しては否定的な表現行為が可能である。国旗が国家の象徴である以上、その尊厳を守るために刑罰をもって国民の感情を擁護しようとする試みは、その必要性や副作用を検討すべき。
日の丸のデザインは、単なる旗としてだけでなく、「君が代」や「国体」のシンボルとしても捉えられており、天皇制と結びついている。戦前の国体と現代の日本国家の連続性を危惧し、日の丸の尊厳を守るために刑罰を課すことは疑問。学校教育における日の丸・君が代の強制についても、裁判所がこれを容認する姿勢を批判する。
国旗が象徴する「国」は、国家権力の主体であり、国民は人権主体であるという対立構造がある。国旗を巡る行為は、国家権力と個人との間の権力闘争と捉えるべきであり、国旗損壊罪は国家権力の円滑な行使を刑罰で保護しようとするものであり、人権の軽視に他ならない。
また、国旗が国民全体の集合や日本の社会・文化の象徴であるという意見も、その尊厳を刑罰で保護することが危険だ。権力が自身の尊厳を刑罰により守ろうとすること、社会や文化、伝統といった抽象的なものを刑罰で守ろうとすることは奇妙であり、むしろ社会的同調圧力の方が恐ろしい。
国旗損壊罪の設立は、国体や旧軍国の精神、国家主義の復活、権力対個人の尊厳というバランスの崩壊、それは人権の縮小につながる。立法事実はない。推進派としては、国体に郷愁を覚える人々、歴史修正主義者、権力者の手先、排外主義者など、また曖昧な愛国者にも警鐘を鳴らす。愛国心は刑罰で強制すべきではなく、全体主義のスローガンになり得る危険なものである。
この法律は「国体擁護法」「歴史修正主義容認法」「軍国主義強化法」「国家主義積極推進法」「権力政党化法」「愛国心強制法」「全体主義促進法」など、様々な側面を持ち、さらには「非国民廃斥法」「非国民炙り出し廃斥法」といったネーミングがいいのでは…。私は、後者の「炙り出される側」あるいはその弁護側に立ちたい。日本国憲法の理念に反するこの動きに強く反対する。
次に、アメリカ連邦最高裁判決から教訓を得るべきで、特に、1943年の「バーネット判決」では、誰もが自由に思想を表現できる権利を認めている。「ベトナム反戦運動のテキサス州対ジョンソン事件」(1989)では、反戦活動家が国旗を燃やした行為が、たとえ品のないものであっても、表現の自由として無罪とされた。これは、アメリカという国が自由を基本としていること、そしてその自由はジョンソンのような人物の行為でも認めていることを裁判官が葛藤しつつ判断した。
このジョンソン事件判決後、連邦法で国旗焼却を処罰する法律が作られたが、すぐに「アメリカ合衆国対アイクマン事件」(1990)で再び国旗焼却が最高裁で無罪とされた事例を挙げ、アメリカの民主主義、法の支配、独立した司法のあり方を示している。
一方で、ハーケンクロイツ(ナチス)、ダビデの星(イスラエル)、そして日の丸といった国旗の象徴と国家の関係性について考える。ハーケンクロイツが全体主義の象徴であるように、日の丸もまた、明治以降の侵略戦争、植民地支配、天皇制、ファシズム、差別といった、日本国憲法の理念に真反対の理念の象徴であった。このような歴史を持つ日の丸に対して、尊壊行為を処罰しようとする動きは、歴史が巻き戻っているかのようだ。
国家とは何かという問いに対し、国民が作り、運営するものであり、便利だから、役に立つからという限度で存在するものである。国家に一人ひとりの精神まで支配されることがあってはならない。これを改めて確認しよう。
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自民党と日本維新の会の連立政権合意が、憲法改正、皇室や家族制度、そして、通常国会での日本国章損壊罪制定は、外国章損壊罪のみが存在する現状の矛盾を是正するとされている。
これまで自民党の保守的な主張に対して公明党がブレーキ役を果たしてきたが、維新の会が担うことで、アクセルを踏むような推進力となり、ブレーキが効かない状況が懸念される。これが、政権が多くのことを実行可能になった要因。
高市氏の消費税に関する発言は「嘘っぱち」で、国旗損壊罪の制定を悲願としていることは間違いない。彼女は危険な国家主義者であり、国旗損壊罪の制定を二度にわたり提案していた、今回は自民党と維新の会という与党が推進しているため、廃案にはなりにくい。
さらに、政権合意にはスパイ防止法関連法整備、国家情報局・国家情報庁の設立、武器輸出の原則撤廃、防衛力抜本的強化、憲法改正、皇室典範改正(男系男子の皇統維持)、選択的夫婦別姓制度の導入見送り、外国人政策の厳格化、政党法検討、衆議院議員定数削減などが含まれ、これらは単なる国旗損壊罪の制定にとどまらず、日本国憲法の理念から離れ、より強い国家、戦争のできる国家を目指すという、国論を二分するような大きな転換点となる。
この動きを推進しているのは、参政党であり、彼らは単独で議員立法として刑法改正による日本国旗損壊罪新設を試みている。参政党は、排外主義や「日本は優秀な国民であり、他国を貶めても良い」という考え方が支持につながるという認識を持っている。また、国民民主党も外国尊重と同時に自国国旗の尊重を求めており、自民・維新・賛成・国民民主党などが「新勢力」として、産経新聞も賛成の立場を取っている。
現行の外国国章損壊罪は刑法92条に規定されているが、起訴はわずか3件にとどまっている。もし日本国章損壊罪が制定される場合、条文案としては「日本国に対して侮辱を加える目的で日本国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、または汚辱した者」が対象となり、刑罰は懲役2年以上、罰金20万円以下などが想定されている。
しかし、刑罰を抜いた「理念法」としての制定も考えられる。罰則のない理念法でも、過去の国旗国歌法のように、社会的圧力によって事実上の強制が行われる可能性がある。これは、権力が「愛国者なら国旗を尊重しなければならない」という「犬笛」を吹き、人々を扇動することで、象徴的な表現行為を萎縮させ、「愛国心強制法」「国民排斥法」となりかねない。
過去には、国旗を焼いた行為を威力業務妨害罪や建造物侵入罪などで処罰された事例もあり(知花昌一さん)、国旗損壊罪が制定された場合、その適用範囲や実態について、より詳細な検討が必要。
結局のところ自分の所有している日の丸を焼いても処罰しろ、という法律。こんなものは必要ないと訴えた。
(要旨:文責編集部)

那須さんからリーフレットの説明

団結がんばろうーで終了した
