吉田敏浩さん講演 戦争で「難死」を繰り返させないために

講演する吉田敏浩さん(新華社
Xinhua Japanese より 以下同)
6月28日(日) 14時より明治大学駿河台キャンパス グローバルフロント1階 グローバルホールにてNPO重慶大爆撃を語り継ぐ会 第5回総会・記念講演が開かれた。主催はNPO重慶大爆撃を語り継ぐ会。
講演の前にオンラインでの報告があり、新垣邦雄さん(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会・理事長)から、沖縄での「レゾリュート・ドラゴン26」という「台湾有事」を想定した日米実働演習、大分や鹿児島のミサイル配備の状況、奄美・沖縄、そして米軍・キャンプ・ハンセンでの訓練など戦争準備とその抵抗が語られた。そして沖縄だけではおさまらない戦争誘発の危険性に警鐘を鳴らした。
中国から栗遠奎さん( Lì Yuǎnkuí/重慶大爆撃・対日賠償原告団団長)からあいさつがあり、原告団のこれまでの活動と最近の日本の政治状況を批判し、日中の永久不戦の実現を訴えた。
そして、吉田敏浩さん(ジャーナリスト)から《「イラン戦争」と日本の対米従属下の戦争加害国家化の危機》と題して講演があった。その後は大内要三さん(日本ジャーナリスト会議会員)から『「イラン戦争」と日本の「新たなる戦前」』という報告があった。ここでは吉田敏浩さんの講演を紹介する。
「イラン戦争」と日本の対米従属下の戦争加害国家化の危機
イランへの侵略について、日本はトランプの「力による支配」を支持している。しかし、イラン政権の転覆はできず、戦闘終結で合意せざるを得ない。イスラエルの支援・容認してきた米国・欧州・日本の植民地・帝国主義は継続しているが、グローバルサウスの台頭と多極化が進んでいる。日本は依然として米国一辺倒の思考停止状態だ。
イラン戦争は、米国・イスラエルによるAIの利用で民間人の被害が拡大し、日本は佐世保基地、AI、ドローン導入、スパイ防止法、集団的自衛権の行使、改憲・全面的軍隊化と世界戦略に組み込まれていく。
陸上自衛隊の熊本や静岡でのミサイル配備、ミサイル輸入、敵基地攻撃体制を強化している。岸田「安保3文書」以降の歯止めなき攻撃力強化。日本の戦場化を想定して基地の強靭化、これは被害を受けても自衛隊が生き残るもの。
最初から対中国戦を想定し、沖縄では避難計画が、米国の対中国封じ込めを担う日本と自衛隊。高市の「存立危機事態になり得る」という答弁(2025年11月)。そして戦争継続と長期戦に備えた強化。これは戦争体制の空気を国民に刷り込むのが目的だろう。権力者は外に敵をつくり、内政問題から目をそむけさせ体制を維持する。
■国により戦争で「難死」を強いられる人々
無差別爆撃を受けた小田実。しかし、皇軍機が1931年中国東北地方へ戦争時に爆撃をしている。
カチン州で取材をしたことがある。「ジャパン・マジャン」とは日中戦争のカチン語だ。ミャンマー北部での日本軍の戦争の記憶を呼びさまされた。歴史の連環を痛感した。
戦後の安保条約で、朝鮮、ベトナム、イラク、アフガン、イラン戦争への支援・加担があり、2014年から安保法制を整備し、国内の治安体制を強化した。自衛隊は米軍指揮下に置かれ統合される。高市政権による「難死」の可能性がでてきた。兵器産業で政・官・財の癒着し、軍事費がGDP比2%(約11兆円)をめざし膨張。軍産学複合体が進んでいく。まさに戦争加害国家化のおそれがある。
高市政権は衰退する米国の穴を埋めようとしているが、日本はアジアの緊張緩和のためにASEAN諸国の立場にならって、対話と信頼をつくる仲介外交をするべき。自治体や市民交流も大事だろう。東アジアでの信頼を得る努力も欠かせない。ジャーナリストとして批判的にみていきたい。
(文責編集部)

明治大学駿河台キャンパス グローバルフロント1階 グローバルホールでおこなわれた
