日本の敗戦から70年が過ぎました。いろんな面で日本は大きく変わりました。戦後の憲法の原則としている国民主権、基本的人権の尊重、平和主義は今日でも価値あるものとして遵守される筈ですが、これを蔑ろにしたい人々や、戦前を肯定するような意見を目にするようになってきました。もちろん何を言おうと自由なのですが、かつては、そのような自由が許されなかった時代があったことは事実なのです。

今はネットで個人が自由に発信できる時代ですが、それがもっぱら他者や弱者などへの誹謗中傷に利用されたり、また、意見や発言が画一的で一方向に添っていたり、同質的・均一的な意思を要請するような傾向があるのは残念です。

自由な意見は民主主義が有効に機能するうえで大切なものです。それを実りあるものとして表現し発言するためには、歴史に学ばなければならないと思います。愚かな過ちを繰り返さないために、歴史に真摯に向き合いながら、国家を制御する作法を感得し、平和を継承し選択するために、情報を共有したいと思います。先の戦争とその後を見つめ、今日まで続く様々な問題を善い点も悪い点も含めて認識を更新し、豊富化するものとしてささやかな言論空間を開設したいと思います