東京都が子どもたちを「五輪」動員?「少国民」の再現か

(「ハフポスト日本版」より)

記事「東京都が、東京オリンピック・パラリンピックの観戦に小中学生ら81万人を「動員」し、拒否すれば「欠席扱い」になるーー?」(「ハフポスト日本版」より)

今夏の東京五輪に関してコロナ禍であっても、日本政府やIOCは開催する構えだが、その東京五輪について東京都が、小中学生らを「動員」する予定だという。まるで戦前の「少国民」の再現ではないか、少年・少女たちが銃後の戦士(コロナとの戦争?)として国家行事に駆り立てれられる――ネット記事が伝えている。

東京都が、東京オリンピック・パラリンピックの観戦に小中学生ら81万人を「動員」し、拒否すれば「欠席扱い」になるーー?

東京都教委が2020年12月、東京オリパラの児童生徒らの観戦日程に関して出した通知をめぐり、ネット上で波紋が広がっている。(中略)学校側が会場での競技観戦を希望・決定していて、さらに校長の判断で「欠席扱い」とした場合、子どもが半ば強制的に観戦せざるを得ないケースも想定される。(「ハフポスト日本版」)

小中学生ら81万人を「動員」、拒否で欠席扱いは本当?東京五輪の観戦計画、東京都教委に聞いた
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_608b5a98e4b05af50dc17c9e

また、東京都は5月10-11日に教員を集めてオリ・パラ会場の下見をさせたのだが「子どもたちが会場までの移動に使う公共交通期間や、観戦時の感染対策がほとんど示されていません」(「しんぶん赤旗」2021年5月16日)という。

子どもはコロナに感染しにくい重症化しにくい、という情報もあるが、感染しないということではないし、発症しにくいとしても、他者への感染者となる可能性もある。オリ・パラによって感染が拡大するだろう。五輪は中止を決断するしかない。この件について根津公子さんの呼びかけを掲載する。

*コロナ感染禍の中、都教委が止めようとしない子どもたちの「観戦」について

都教委が行っているオリパラ教育についてアエラ等が次のように報じているのをご存じかと思います。

子どもたちのオリパラ観戦(当初、都教委は「直接観戦」と言い、今は「学校連携観戦」という)実施にあたり、①「5月10,11日国立競技場下見で770人の教員参加」で会場の下見・実地調査に教員を参加させたこと

②「五輪観戦児童生徒81万人 観戦計画」と。
そこで、都教委指導課オリパラ担当(03-5320-7787)、及び八王子市教委に電話で問い合わせ、また要望を出しました。その結果を記します。ぜひ、皆さんも都教委や各地教委に声を届けてください。

なお、②についてこの間の経過を記します。昨年11月30日付で都教委は各都立校及び区市町村教委に「令和3年度オリンピック・パラリンピック教育の実施について」の通知を出しました。▼来年度も年間35時間のオリ・パラ教育を行うこと

▼学校連携観戦を行うこと ▼1月末に都教委に学校連携観戦について報告すること、というものでした。

■都教委の対応は指導企画課のHさん。
①について。
・5月10,11日に行なったのは事実。児童生徒の五輪観戦自体は感染状況によって今判断はできないが、観戦できる場合に備えてのこと。ウイークデイだったのは、競技場の都合。
・次回の下見は外には公開しないことになっている。学校には案内し、すでに参加の集約は済んでいる。
・参加は各学校が判断すること。都教委は、下見をする機会を提供したまで。
②について
・今年1月に希望を提出することは延期となっているので、一昨年に各学校が都教委に提出した観戦場所をもとに、仕事を進めている。

・観戦のキャンセルはいつでも可能。すべては各学校の判断だ。
①②の回答に対して、私は2点を要求しました。

・「都教委は機会を提供するだけで判断は各学校」、制度上はそうだろうが、実態は私の知る限り、都教委の通知は都教委の指示であり、各学校や各市町村教委が独自に判断してはならない。各学校や各市町村教委にとっては、強制以外の何ものでもない。
・①②ともに「判断は各学校」、②については「観戦のキャンセル可能」ということなので、それについての通知を各学校及び市町村教委に至急出してほしい。

「八王子在住の私は、一昨年の観戦希望場所の調査の際に各学校の校長が観戦について書いたことを情報開示して読んだ。ほとんどの校長が混みあう電車での事故や熱中症の心配を書いていた。児童の死を意識しての記述までもあった。」とヒロセさんに話し、「今はコロナ感染の中、観戦を希望する校長や教育委員会はいないはずだ。『判断は各学校』を至急に徹底するよう強く要求します」と告げました。しばらくしたら、電話を入れ確認するつもりです。

■八王子市教委G指導主事に質問・要求したこと

八王子市教委には11月30日通知以降、毎月末に「観戦希望」を出したかを確認し、出さないよう要求してきているので、今日は教員の下見について訊きました。G氏がオリパラ担当者ではなかったので下見に行った学校数まではわからなかったのですが、「下見に参加した」とのことでした。

そこで、「一昨年の校長たちの悲鳴に加え、コロナ感染の危険がこれほど大きい中、校長だけでなく管理主事の皆さんも子どもたちの観戦は避けるべきと思われるでしょう。私も孫が市内の小学校に通っているので、観戦を止めてもらいたいと強く要求します。」
そう伝え、要求しました。
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追伸

子どもたちの「オリパラ連携観戦を即刻止めて」と、都教委及び八王子市教委に要求したことの報告を5月24日にしました。

確認の電話をそろそろ、と思っていたところに今朝の朝日新聞が、オリパラ連携観戦のキャンセルについて報じたと友人から連絡を受け、以下のようにしました。その報告です。
皆さんも、各地教委や都教委に電話を入れてください。
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 今朝の朝日新聞に「大会組織員会が、児童・生徒のオリパラ連携観戦のキャンセルについて6月下旬まで受け付けると東京や福島など連携観戦を申し込んでいる教育委員会に通知している」とのことです。友人からその知らせを得たので、さっそく八王子市教委に電話を入れたところ、「報道は知っているが、都教委から正式な通知が来ていないので、各学校に通知していない」という。

 「法律上、市教委と都教委は上下の関係ではなく、独立しているでしょう。都から通知が来ていない、からではなく、八王子市教委として、すぐに各学校にキャンセルできることを通知してほしい。強く要求します。1週間したら確認の電話を入れます」と言っておいた。

 続けて、都教委指導課オリパラ担当(03-5320-7787)に電話を入れ、「八王子市教委は、『都教委から正式な通知が来ていないから、各学校に通知できない』と言っている。すぐに各地教委に通知してほしい。」と要求した。対応したAさんは「大会組織委員会と調整をしている。一般客を含め、観戦の上限数がまだわからないので、各地教委に通知を出していない。調整できた段階で通知する」という。「上限数がわからないと通知が出せないというが、それは希望が多い場合に限ったこと。キャンセルを受け付けるのに、上限数は関係しない。」「八王子市教委に開示請求して分かったことだが、すべてと言っていいほどほとんどの校長は、19年12月の希望票提出時に熱中症や交通事故の心配をしていた。コロナ感染の危険も心配される中、連携観戦をキャンセルできるならばキャンセルしたいとすべての校長が考えるはずだ。したがって、『上限数』は何も関係ない。校長は、校長個人の考えだけでキャンセルするのではなく、職員や保護者の意見を集約したうえで回答をするだろうから、至急、キャンセルを受け付けるとの通知を地教委に出してほしい。来週半ばに、Aさんに電話を入れます」と言って電話を切った。

(根津公子)