死の商人くるな!日本初の武器見本市に抗議する
11月18日から20日まで、千葉県の幕張メッセで日本初の総合武器見本市「DSEI JAPAN」の開催が強行された。「武器見本市の開催は、戦争と武力による威嚇、武力の行使を永久に放棄し、陸海空軍その他の戦力を保持しない、と誓った憲法9条の平和主義とは決して両立しない。防衛省、外務省、経産省による「後援」は許されない」(杉原こうじ)として、18日12時より「安保関連法に反対するママの会@ちば」「幕張メッセでの武器見本市に反対する会」などが呼びかけ、会場正面で市民による抗議行動がおこなわれ410人が参加した。
行動では武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の杉原こうじ氏「憲法9条のある日本で、こういう武器見本市が開かれるまでに堕落したことに目を向けなければならない」と語り、連帯して抗議し、武器生産に関わっている企業のボイコットをよびかけた。井上哲士参議院議員(日本共産党)のあいさつ、アーティスト、宗教者、福島原発事故避難者、看護師など多彩な発言が続く。韓国からも兵役拒否者など複数名の人びとが参加し連帯の挨拶をした。そして「武器はいらない!」「ノーウォー」とコールしアピール。最後に戦場や死者を想いダイインを行いアクションを終了した。
11月16日には事前学習として武器見本市についての勉強会が金光理恵さん(安保関連法に反対するママの会@ちばメンバー)と宮腰直子弁護士(日弁連憲法対策本部委員)を迎えて、鎌ヶ谷中央公民館で開催された。主催は「やさしく学ぼう憲法」。
金光さんは「DSEI(武器見本市)はロンドンに本拠地があり、2年に1度行っている。今回は初の海外出張で、ロンドンでも武器輸出は違法だと、抗議や世論の批判がある。海外メーカーは日本へ下請に出して中小メーカーに作らせてメイドインジャパンで儲けようとしているのではないか。イスラエルの武器はパレスチナなどの紛争地で実験している。トヨタ・日産などは軍用車として流通させ、そう受け取られている。平和憲法のある日本で開かせないよう、アートフェスティバルなどの多彩な運動をやってきた。中止させたい」と語った。
宮腰さんは「2012年の自民党改憲草案発表以降は武器輸出の動きが出てきた。改憲の動きと連動している。積極的平和主義という言葉が安倍内閣ででてきたが、本来は社会にある差別・貧困など構造的な暴力をなくす、という意味で使われている。使い方が違う。平和的生存権や公共の福祉を含んだ人権を尊重する。憲法にあるように不断の努力で、戦争を起こさせない運動を強めていかなければならない」と語った。
なぜ日本で開催されるのか。2014年にこれまでの武器輸出三原則を転換して、海外へ武器輸出を進めてゆく政策の一貫である。経済界でも供給先が国内に留まることなく、国家戦略で進めてほしいという要望がある。それを「防衛装備品移転」という欺瞞的な表現で輸出を進めようとしている。批判を気にしてか、元防衛次官の西正典氏(見本市実行委員長)は「武器というのはあたらない。産業の裾野を広げる」と抗弁している。海外企業はアジア地域の可能性や、増え続ける日本の防衛予算から有望な市場として日本を見ている。「死の商人」として見られることは不名誉な筈だが、日本はまさに自ら進んで参加しようとしているのである。見過ごさずに再開させないとりくみを強めよう。
(本田一美)
■参考
幕張メッセでの日本初の総合武器見本市「DSEI JAPAN」の危険な実態!
https://togetter.com/li/1434027
杉原こうじのブログ
https://kosugihara.exblog.jp/239787324/