新型コロナウイルスをめぐる「ディストピア」と「ユートピア」


はじめに

世界保健機関(World Health Organization:WHO)は、2020年3月11日、新型コロナウイルス感染症(肺炎)のパンデミック(pandemic 世界的大流行)を宣言した。世界初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19 [世界保健機関の2020年2月11日の命名])の患者は、2019年12月8日、中国・湖北省・武漢市の病院で確認された。

報道(各紙)で、2020年12月31日午後5現在、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、世界では、感染者8274万5324人、死者・180万5521人に登っている。日本では、厚生労働省の集計によれば、同31日午後10時現在、感染者・23万6619人、死者・3505人に登っている。

日本国の場合、新型コロナウイルス感染者の数が、波状的に増加している。感染拡大の「第一波」(3月末から5月、この期間の新規陽性者(感染者)数の最多は、4月11日の719人)、「第二波」(7月から8月、この期間の新規陽性者数の最多は、8月7日の1608人)、「第三波」(11月から今日。この期間の新規陽性者数{暫定}の最多は、12月31日の4520人)というように。

この原因の最大のものは、安倍晋三内閣と安倍自由民主党及び菅義偉内閣と菅自由民主党が、国民に新型コロナウイルス禍から自己の生命・健康・生活を自力で守る「災禍防御自助主義」を強いたことにある。

その根拠は、例えば、生活保障なき自粛要請、休業補償なき休業要請・営業時間短縮要請、全人無償検査(PCR検査)なき公衆衛生、医療機関への減収補填なき・保健所への人材支援なき医療体制、雇用保障なき生活、経済支援なき就学等の措置に示されている。

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行は、各国の国民の生命・健康・生活と経済活動・文化活動・医療活動の破滅をもたらしているだけでなく、各国の社会の「病理」をもあぶり出している。そのため、新型コロナウイルス感染症を収束させ、再発させないための社会(「ポスト新型コロナウイルス社会」)の〝あり方〟が、人類に問われている。

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行を経験して、人類が、この感染症を終息させ、その再発を制止するためには、次のことが必要であることが明らかとなった。

第一は、すべての人間と動植物と地球は、健康であることが必要である。

新型コロナウイルスは、動物から人へ(コウモリから他の動物への感染を経て人へ)、人から人へと感染することによって発症する。

第二は、環境破壊が行われてはならない。

その破壊は、自然の奥で抑え込まれていたウイルスを解放し、人間と接触させる、また野生動物と人間の接触を密接化させる。

第三は、人間社会の破壊があってはならない。

その破壊は、人間一人一人から、感染症を阻止する力・治癒する力を失わせ、社会から、感染症を終息させる力・その再発を抑止する力を失わせる。

第四は、世界中のすべての国が仲良くしなければならない。

感染症の拡大を抑止するためには、国際協力が必要となる。医療体制が脆弱な国への支援が求められる。感染症の根源となるウイルスの特定、人への感染を媒介した「中間宿主」の特定、ワクチンや治療薬の開発においても、国際協力が求められる。戦争が起こされてはならない。

第五に、各国の国内のすべての人が仲良くしなければならない。

感染症の拡大を阻止し、感染症を終息させるためには、民族・人種・性別・心身具合・経済的政治的位置・社会的位置・思想・良心・信仰・地域等のどんな差別も暴力も行われてはならない。

以上のことが可能となるためには、対内的には、「公助・共助・自助」が実行される国家社会(国家が統治する社会)、対外的には、万国友好の「反戦平和主義」を貫く国家社会の建設が理想的となる。

日本の国家社会(国)は、その理念に向かっているのであろうか。

Ⅰ.ディストピアの日本国

2020年9月16日に、新型コロナウイルス感染症の日本パンデミックが継続している直中で、自由民主党と公明党が組織した菅義偉内閣が発足した。

菅内閣総理大臣は、内閣総理大臣就任後の記者会見(2020年9月16日・内閣総理大臣官邸)で、次のことを語った。 1)

「今回、安倍晋三前首相が病気のため道半ば退かれることになった。無念の思いを推察する。しかし、この国難(国難(新型コロナウイルス感染症の拡大と戦後最大の経済の落ち込みのこと――引用者)に当たり、政治の空白は決して許されない。この危機を乗り越え、全ての国民が安心して生活を取り戻すには、安倍内閣が勧めてきた取り組みをしっかり継承し、前に進めていくことが私に課せられた使命だ」。

「今後取り組むべき最優先の課題は、新型コロナウイルス対策だ。欧米諸国のような爆発的な感染拡大は絶対に阻止し、国民の命と健康を守り抜く。その上で、社会経済活動との両立を目指す」。「経済の再生は、引き続き政権の最重要課題だ。アベノミクスを継承し、一層の改革を進める。ポストコロナ社会の構築に向けて集中的に改革し、必要な投資を行い再び強い経済を取り戻したい」。

「私が目指す社会像は自助、共助、公助、そして絆だ。まずは自分でやってみる。そして、家族、地域でお互いに助け合う。その上で政府がセーフティネットで守る。国民から信頼される政府を目指していきたい。行政の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打ち破って規制改革を全力で進める。国民のために働く内閣をつくる。そのことによって国民の期待に応える」。「新型コロナで浮き彫りになったのは、デジタルおよびサプライチェーン(供給網―引用者)の見直しだ。オンライン診療は今後も続ける必要がある。行政のデジタル化の鍵はマイナンバーカードだが、普及が進んでいない。前倒しで措置するとともに、複数の省庁に分かれている政策を取りまとめて強力に進める体制として、デジタル庁を新設する」

―2020年10月26日召集の第二百三回国会における「所信表明演説」2)でも、同旨が語られた――。

「自助・共助・公助」の順序思考は、経済的政治的肉体的精神的に優れた者(強者)のみが幸福になればいいという「優生主義」の思考である。この思考は、ドイツのヒトラー・ナチス政権(1933年1月30日成立)がユダヤ人虐殺(推定600万人)3)を行った思考と同類の思考であり、「ファシズム」の思考である。

「ファシズム」(イタリア語のファッショ{fasio<棒の束>}から、個人の尊重を否定し、国を統轄する国家への偏重を求める全体主義の意味に)は、民主政治を破壊して出現するが、イタリアを母国とし、イタリアのムッソリーニ・国家ファシスト党政権の成立(1922年10月31日)、ドイツのヒトラー・ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)政権の成立(1933年1月30日)、スペインのフランコ・軍事独裁政権の成立(1939年4月1日){以上、個人独裁型ファシズム}、日本(大日本帝国)の近衛文麿・軍国主義天皇制政権の成立(1940年7月22日){組織独裁型ファシズム}によって、先駆的に展開された全体主義的反共主義・反民主主義専制政治体系のことである。

「ファシズム」は、資本主義を守る・強くするために、資本主義の矛盾を独裁的暴政で克服しようとする政治体系である。即ち、国家が、民衆による「改革」や「革命」の道を遮断した上で、デマゴギー(demagogie 事実に反する謀略的・扇動的宣伝)を用いて、民衆の不満や欲望を利用して、民衆に対して「改革」や「革命」の実行を言いながら、民衆に対して「反動的反民主的改革」や「反革命」(民衆暴虐体制)を実行する政治体系であり、また、「平和」を掲げながら「侵略」を、「民生主義」を掲げながら「優生主義」を実行する政治体系であり、そして、それを前提にして、(1)対外的には、ナショナリズム(nationalism 国家主義・国粋主義)を国民に煽って、他国と他国民族と他国人民に対する侵略主義と排外主義(他国民族・他国人民・国内他民族を支配するために、民族間の憎悪や反目を煽る思想と政策)と抑圧主義を実行する、(2)対内的には、反共産主義と反民主主義を国民に煽って、(a)はじめは、ソフトに(合法を装って)・部分的に、(b)最後は、暴力で・全面的に、虚言と暴力を用いて、国民主権とそれに基づく民主主義や、基本的人権や、地方自治や、司法権の独立や、政党や、団体や、議会政治(議会があっても)などを抹殺して、国民に対して、一つの思想を押し付け、異端を排除(パージ{purge}、追放)する思想的独裁と暴力を用いて恐怖を与える暴力的独裁を実行する、全体主義的反共産主義・反民主主義専制政治体系である。

菅内閣総理大臣は、「優生主義」社会を作るために、すべての人の優劣をマイナンバーを用いて選別し、すべての人を管理する「デジタル庁」を作る、規制改革を行うと語っている。

また、菅内閣総理大臣は、2020年10月26日召集の第二百三回国会における「所信表明演説」で、「厳しい安全保障環境の中、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは政府の最も重大な責務です。イージス・アショアの代替策、抑止力の強化については、先月公表の談話を踏まえて議論を進め、あるべき方策を取りまとめていく考えです」と述べた。

先月公表の談話とは、2020年9月11日に、安倍晋三内閣総理大臣が発表した「ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針」についての「首相の談話」(閣議決定された「首相談話」ではないので、内閣拘束力を有しない談話)のことで、2020年末までに弾道ミサイル阻止のための「敵基地攻撃能力保有」に関する態度を打ち出すことを求めている。

「敵基地攻撃能力」とは、相手国の基地を攻撃する能力のことを指すが、その能力の価値は、相手国がミサイル等での攻撃を始める前に攻撃することにある。相手国が攻撃した後に攻撃(反撃)しても、大した効果はないからである。従って、「敵基地攻撃能力」の本質は、先制攻撃能力のことである。

先制攻撃及びそれと同義語の「敵基地攻撃」は、攻撃を受けた後に反撃を行う権利である「自衛権」の行使ではなく、「侵略権」の行使となる。

「侵略権」の行使となるが故に、先制攻撃及び敵基地攻撃は、国際連合憲章で禁止され、侵略権とそれに基づく侵略戦争及び侵略目的の武力による威嚇又は武力の行使をも否定している日本国憲法「第九条」でも禁止されている。

国際連合憲章「第二条」は、「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない」(第三項)。「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない」(第四項)と規定している。

「敵基地攻撃能力」を国家が保有できるとなれば、国家は、世界中で侵略戦争を起こすことができる。それは、「ファシズム」にとって、この上ない利器となる。

菅内閣総理大臣は、「敵基地攻撃能力」を国家に保有させて、国家の戦争タブー(taboo 禁止されている物事)をなくそうとしている。そうなると、学問と科学者の戦争利用に反対している日本学術会議は邪魔となるので(軍事経済を狙う産業界にとっても邪魔となるので)、菅内閣総理大臣は、日本学術会議を内閣の御用機関にしようとして、日本学術会議が推薦した105名の会員のうちの六名の会員の任命を、理由を示さずに虚言と独裁的暴政で違法に拒否(パージ)し(2020年10月1日発表)、日本学術会議に学問と科学者の戦争利用を容認するよう変節を迫っている。

2020年12月18日、菅内閣は、「新たなミサイル防衛システムの整備等及びスタンド・オフ防衛能力の強化について」を「閣議決定」した。その全文は、次の通りである。4)

*新たなミサイル防衛システムの整備等及びスタンド・オフ防衛能力の強化について

1 多様な経空脅威に対しては、これまで「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱」 (平成30年12月18日国家安全保障会議及び閣議決定)及び「中期防衛力整備計 画(平成 31 年度~平成 35 年度)」(平成 30 年 12月 18 日 国家安全保障会議及び 閣議決定。以下「中期防」という。)に基づき対応してきているが、厳しさを増す 我が国を取り巻く安全保障環境により柔軟かつ効果的に対応していくための、ある べき方策の一環として、陸上配備型イージス・システムに替えて、イージス・シス テム搭載艦2隻を整備する。同艦は海上自衛隊が保持する。同艦に付加する機能及 び設計上の工夫等を含む詳細については、引き続き検討を実施し、必要な措置を講ずる。
また、抑止力の強化について、引き続き政府において検討を行う。

2 自衛隊員の安全を確保しつつ、我が国への攻撃を効果的に阻止する必要があるこ とから、島嶼(とうしょ)部を含む我が国への侵攻を試みる艦艇等に対して、脅威圏の外からの 対処を行うためのスタンド・オフ防衛能力の強化のため、中期防において進めるこ ととされているスタンド・オフ・ミサイルの整備及び研究開発に加え、多様なプラ ットフォームからの運用を前提とした 12 式地対艦誘導弾能力向上型の開発を行う。

この「閣議決定」は、「敵基地攻撃能力の保有」を明記することは留保した(「引き続き政府において検討を行う」とした)が、「敵基地攻撃能力をもつ武器」の開発を進めることは明記した。

菅内閣は、この「閣議決定」に基づいて、敵の攻撃圏外から対処でき、事実上の「敵基地攻撃」が可能な「スタンド・オフ・ミサイル」(ステルス戦闘機F35Aに搭載)の開発費(149億円)を2021年度予算案に計上した。

敵基地攻撃能力をもつ武器を先に持って、「敵基地攻撃能力の保有」の理論化は後で、という魂胆にようである。
菅内閣は、日本国をファシズムと侵略戦争を行うディストピア(dystopia 地獄国)にしようとしている。

しかし、菅内閣のディストピア作りは、新型コロナウイルスを跳梁させることになる。

Ⅱ ユートピア――「平和的福祉国家」の日本国を

新型コロナウイルス(変異する)の跳梁を抑止し、新型コロナウイルス感染症を収束させるためには、対内的には、「公助・共助・自助」体制が構築されなければならない。国家と自治体が、国民を医療面・衛生面・生活面・教育面で支援する公助が先に立ち、次いで、地域で、家族で助け合う共助が行われ、公助・共助の支援を得て個人が行動する自助が実る体制である。

対外的には、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを収束させるための国際協力、環境破壊を阻止するための国際協力を可能とする「反戦平和主義」の確立である。如何なる国との間の国際紛争も武力(兵士と武器)で解決しないという立場の堅持が行われなければならない。

「公助・共助・自助」が機能する国家社会、「反戦平和主義」が実践される国家社会を建設するためには、「平和的福祉国家」(peaceful welfare state)の建設が不可欠となる。

「平和的福祉国家」(「第一図」参照)は、20世紀の「軍事的福祉国家」(戦争と軍隊を認めたため、戦争と軍隊によって自己目的の実現を阻まれてきた)を克服するもので、日本国憲法「第九条」(非戦・非武装・対話・永久平和主義)を基礎とし、日本国憲法に定められている「国民主権とそれに基づく民主主義」、世界万民の権利としての「平和のうちに生存する権利(平和的生存権)」、「基本的人権」、「地方自治」、「議会権力優越型権力分立制的統治機構」を活用して創設できるものであり、(1)いかなる国にも脅威を与えない万国友好を貫き、(2)戦争と戦力(軍事的組織と武器)と原子力と軍事同盟・経済同盟(戦争を起こす原因となる)を放棄し、(3)そのことによって可能となる国家の暴力と資本主義の横暴を規制し、(4)人間を幸福にするための「平和」と「地域」と「環境」と「基本的人権」(「自由」・「平等」・「福祉」・「能力開発(学習)」・「労働」)と「民主主義」を尊重する国家である。

「平和的福祉国家」は、(1)対外的には、万国友好を貫いて、A)いかなる国にも脅威を与えず、B)いかなる国とも対等に付き合い、C)人間を幸福にするために、世界中から、貧困・病傷苦・文盲・売春・飢餓・暴虐などを絶滅させる活動を行う、また、地球環境と民族文化を保護する活動を行う、D)世界平和を呼びかける活動を行う国家である。

「平和的福祉国家」は、(2)対内的には、人間を幸福にするために、A)平和のもとで(戦争と戦力と原子力と貧困と差別と暴力と強制がないもとで)、B)誰にも、、C)必ず、安心して、食べること・着ること・住むことができることを保障する、且つ、必要な時に、必ず、働くこと・休むこと・学ぶこと・余暇を持つこと・医療を受けることができることを保障する、更に、結婚の自由を認め家族への手厚い保護を行い、心と身体と職業と生活財産が差別され・統制されることがないことを保障する国家である。

「平和的福祉国家」は(3)自然に対しては、A)動植物が虐げられないこと、B)地球が虐げられないこと、C)生命を存続させる自然の循環過程 5)(自然的物質代謝) 6)及び人間と自然の循環過程  7)(人間と自然との物質代謝)の撹乱(価値増殖を目的とする資本主義的生産がもたらす)を規制しようとする国家である。

「平和的福祉国家」は、日本国憲法が目指している国家である。

「平和的福祉国家」の創設は、「空想」ではなく、21世紀という歴史的時代の「特色」から導きだされる「科学的現実性」である。

21世紀という歴史的時代の特色は、次のところにある。

世界各国における民衆の「反戦平和」・「基本的人権尊重」・「民主主義尊重」・「地球環境保護」の思想と運動の高揚により、

(Ⅰ)A)すべての人間と動植物と地球は、平和のもとで「幸福」になる権利(平和的幸福追求権)がある  8)、B)すべての紛争は「話し合い」(対話)で解決を、が普遍となる時代であり、

(Ⅱ)戦争(自衛戦争・侵略戦争・制裁戦争)のすべてと戦争につながるすべての(自衛目的・侵略目的・制裁目的の)武力(兵士と武器)による威嚇及び武力の行使が違法となる時代であり、

(Ⅲ)戦争を仕掛けた国が結局は敗北をするという時代であり(アメリカの2001年10月7日開始の「アフガニスタン戦争」と2003年3月20日開始の「イラク戦争」がその標識)、

(ⅳ)戦力(軍事組織と武器)を持たない国を攻撃する国は、国際社会から糾弾を受けて苦境に陥ることになると考えられるから、戦力を持たない国を侵害することはできなくなったという時代である(1983年11月17日に「非武装・永世中立国」を宣言{モンヘ大統領}したコスタリカ共和国がその標識)。

かくして、21世紀は、日本国憲法「第九条」が表明している、国民と国家と自治体が、A)如何なる戦争も・如何なる武力による威嚇及び武力の行使も永久にせず、B)如何なる戦力(軍事組織と武器)も持たず、また、C)如何なる交戦権(戦争権――自衛戦争権・侵略戦争権・制裁戦争権)をも認めず、D)すべての紛争を「話し合い」(対話)で解決するという「非戦・非武装・対話・永久平和主義」が、人類の「導きの星」となる時代であり、従って、「対話」による紛争解決の道が、21世紀の人類にとっての「科学的真理の道」となる。

「平和的福祉国家」の国を、私達のユートピア(utopia 理想国)にしようではありませんか。
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1)2020年9月17日付「東京新聞(朝刊)」・「毎日新聞(朝刊)」・「読売新聞(朝刊)」。
2)「官報 号外 令和二年十月二十六日 第二百三回国会 衆議院会議録 第一号(一)」・3-6頁。
3)大澤武雄『ヒトラーとユダヤ人』講談社現代新書・1996年・219―222頁。
4)2020年12月19日付「朝日新聞(朝刊)」。
https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/2019/pdf/stand-off_20201218.pdf

5)自然の循環過程とは、例えば、カシ・クヌギ・ナラなどの木の実(どんぐり)は、リス・クマなどの動物の食物となり、便として排出されて、土地の養分となり、他の草や木の成長を促す。食べられなかったどんぐりは、土地に落ちて芽を出して、新たな木となり、新しいどんぐりを生み出す。それを動物が食物とする。芽を出さなかったどんぐりは、土地の養分となって、他の草や木の成長を促す、このような過程のことを言う。

6)物質代謝とは、生物が、生存に必要な物質を外界から体内に取り入れ、用済みとなった物質を外界に排出する行為のことを言う。
7)人間と自然の循環過程とは、例えば、人間は自然から植物と水を取り入れて、尿や便として排出する。尿や便は土地を豊かにし、植物の成長を促す、その植物を食べて、人間や動物が成長する。或いは、人間は、自然から酸素を取り入れて、二酸化炭素と水を排出する。排出された二酸化炭素は、植物の光合成を媒介にして酸素となる、このような過程のことを言う。

8)地球と動植物と人間は、自然の歴史的発展過程の産物であり、従って、共に自然の一部であり、人間は、地球と動植物との相互関係のもとで生存している。人間の幸福は、動植物と地球の幸福のもとでのみ可能となる。

平和のもとでの人間の「幸福」とは、(1)必ず、安心して、食べること・着ること・住むことができること、(2)必要な時に、必ず、働くこと・学ぶこと・休むこと・医療を受けること・余暇をもつことができること、(3)結婚の自由があり、安心して家族を持続できること、(4)差別と暴力と戦力と原子力と戦争がないこと、(5)適切な気温があること(温暖化・寒冷化がないこと)、(6)心と身体と職業と生活財産が他者(国家・自治体・団体・他人)に統制されないことである。

平和のもとでの動植物の「幸福」とは、(1)汚れていない真水・海水・空気があること及び適切な気温があること(温暖化・寒冷化がないこと)、(2)必ず、安全に、食べること・住むこと・生まれることができること、(3)子孫を残すことができること、(4)人間のぜいたくや快楽や欲望のために殺害されたち、苦痛を加えられたり、奇形にされたりすることがないこと、(5)戦争と原子力がないこと、である。

平和のもとでの地球の「幸福」とは、(1)生態系を破滅させるような破壊がおこなわれないこと・粋砕されないこと、(2)汚れていない真水・海水・空気があること及び適切な気温があること(温暖化・寒冷化がないこと)、(3)動植物と人間の生存に必要な物資(元素)があること、(4)戦争と戦力と原子力がないこと、である。