自衛隊の中東派遣に反対し閣議決定の撤回を求める 

映像資料を使って説明する半田滋さん

映像資料を使って説明する半田滋さん

2月20日(木)文京区民センターで、「自衛隊の中東派遣に反対し閣議決定の撤回を求める」集会が改憲問題対策法律家6団体連絡会、総がかり行動実行委員会の共催で開かれ、100名以上の市民・労働者が参加した。

安倍政権は昨年12月27日に中東地域での自衛隊派遣を閣議決定し、年が開けて1月10日に自衛隊派遣の防衛大臣命令を強行した。既に1月21日からP-3C哨戒機が中東海域での情報収集活動を開始し、2月2日には、閣議決定により派遣される、護衛艦「たかなみ」が海上自衛隊横須賀基地を出港している。

東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏、東海大学教授の永山茂樹氏が報告した。

半田氏は、今年はじめの米国によるイランのソレイマニ司令官殺害によって一気に両国の緊張が高まったなかで、米国主導の「有志連合」の活動海域を自衛隊が補完する形となっていること、自衛隊の高級幹部の派遣も異例の態勢となっていることを紹介。安保法制により米軍をはじめ他国軍への支援を含めた訓練が自衛隊法の「教育・訓練」を拡大解釈する形で進行している、また東シナ海でも自衛隊の訓練を繰り返しており、進んで米中対立の一端を担うようにも見える、ということ、今回の中東への自衛隊の派兵は中東におけるアメリカの新たな戦争への対応である、と危惧を表明した。

講演する永山茂樹さん

講演する永山茂樹(東海大学)さん


永山氏は、自衛隊の中東派遣という事態に対して、2015年の日本に戻ることが喫緊の課題だと言い。自衛隊の情報収集活動が法を拡大解釈して進めていることを批判した。

また国会承認や報告などを回避・隠蔽するための脱法行為であるとも指摘した。さらに派遣された自衛隊に攻撃があったときにはどう対応するのか。自衛隊を強化するのか、あるいは安倍政権批判となるのか、割れる世論が考えられる。9条の破壊につながることも考えてみるべきだろう、と警鐘を鳴らした。

連帯あいさつのため登壇した赤嶺、山添の両議員

連帯あいさつのため登壇した赤嶺、山添の両議員


その後は集会参加の国会議員の連帯あいさつがあり、共産党の赤嶺政賢衆院議員が、政府は「米国の自衛権を主張」して短時間で自衛隊派遣を決定したと批判した。社民党の福島瑞穂参院議員は、ミサイル装備で他国の領土・領海へ出向くということの危うさ、満州事変の例をあげて危険性を指摘した。また、安倍政権の国会無視の独裁状態を批判した。

最後に集会アピールを採択し終了した(以下参照)。

・自衛隊の中東派遣を撤回せよ(2.20)澤藤統一郎の憲法日記
http://article9.jp/wordpress/

(本田一美)

空撮:横須賀沖を航行する海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」

空撮:横須賀沖を航行する海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」(毎日新聞:you tubeより)