防衛費増額をバイデンに約束!侵略戦争を進める岸田・バイデン日米首脳会談

共同会見するバイデンと岸田(NHKより)

共同会見するバイデンと岸田(NHKより)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220523/k10013638801000.html

岸田首相は5月23日、米国のバイデン大統領と日米首脳会談をおこなった。共同会見ではバイデン大統領が、台湾有事が勃発すれば軍事関与する意志を明言した。その後にオースティン国防長官から米国の戦略転換はないと修正されたが、米国の台湾への軍事関与の意思は明確である。

岸田首相は「インド太平洋地域の平和と繁栄を謳い」「日米の主導的役割」を協調した。「力を背景とした現状変更の試みに強く反対」し、中国をめぐる諸課題に「日米で緊密に連携」していくことを確認し、中国への対抗意識をあらわにした。

日本の安全保障について、「日本の防衛力抜本的強化」「防衛費の相当な増額」と同時に日米の「日米同盟の抑止力・対処力を早急に強化」を再確認した。

また経済面でも日米を含む13カ国で「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)を発足させ、中国包囲体制を強める姿勢を示した。岸田首相は『自由で開かれたインド太平洋』構築への日米連携を協調した。

米国はウクライナ戦争直前に、親米的なウクライナ政府への軍事支援を活発化させた。その動きに続いてアジア地域でも中国への挑発とその隣国である日本への軍事体制強化が表れている。

具体的な軍備増強については辺野古への普天間移設、馬毛島への米軍空母艦載機訓練場建設を含む在日米軍再編を着実に実施していくことを共同声明に明記した。

また原子力の重要性の認識し、原子力協力の拡大と既存および新規原子炉の原子力サプライチェーンの構築も表明した。
会見でバイデン大統領は「プーチンの戦争責任追及のため日米の協力は不可欠」と自らのイラク戦争やアフガン戦争への責任は頬かむりして、ウクライナ戦争への関与を恥知らずにも語っている。

バイデン大統領のウクライナ戦争に対する軍事支援や好戦的対応とは裏腹に米国でのバイデン大統領の支持率は低下している。対ロシア、対中国包囲網の強化はそれに拍車をかけこそすれ、挽回することはないだろう。

バイデン大統領の支持率36%、過去最低(ロイター)
https://jp.reuters.com/article/usa-biden-approval-idJPKCN2NA2BS

そして、共同声明に「最近の中国とソロモン諸島との間の安全保障協定に懸念を表明した」とあるように、「自由で開かれたインド太平洋」が中国包囲網であることを端的に語った。

首脳会談後にクアッド(日米豪印戦略対話)が開かれ、「民主主義対独裁主義」とバイデンが強調した。会議ではインドはロシア侵攻への避難を拒否したが、コンセンサスがどこまでとれているのかは不透明だ。今後に注目しよう。ただこれも同様に、対中国の軍事戦略であり、岸田政権も“日本が果たす役割を拡大する必要” (岸防衛相)と敵基地攻撃能力や侵略戦争へ対応を強化し準備している。

朝日社説でも「意思疎通を欠いたまま、包囲網ばかりを強め、力に傾斜した先に何が起こりうるのか」と危惧し、「力による対峙(たいじ)を強め、経済安全保障の名の下に、相互依存関係の切り離しを進めるだけでは、平和と安定は保てない」(朝日新聞HP 2022年5月24日)と指摘するように、武力強化に突出した認識と政策には平和憲法を壊し、戦争を呼び起こす側面しか見あたらない。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15303308.html?iref=pc_ss_date_article
アジア各国・ASEAN諸国は中国との経済関係が増大しており、日米による対中への軍事力強化には困惑するしかないし、このようなあからさまな戦争準備は周辺国の民衆に恐怖や敵対心・敵がい心しか植え付けないだろう。
(本田一美)


新宿アルタ前で岸田・バイデン会談反対行動(5.22新宿デモ)