古関彰一 憲法誕生の講演会-「笑顔のファシズム」がやってくる
5月3日、東京・下北沢で古関彰一さんの憲法誕生の講演会が行われました。
主催は「リベラル日本研究会」によるもので、憲法記念日でもあったことから会場は参加者で一杯に。
これに先立つ4月半ば、古関彰一著『日本国憲法の誕生 増補改訂版』(岩波現代文庫 1.720円+税)が出版されました。公文書開示は米国は30年ですが、日本では50年のため、新たに開示された史料を交えた増補改訂版となったものです。同名の劇画の初版はもう10年以上も前に発行されており、GHQと日本政府側のやりとりがとても理解しやすく劇画で描かれています。再版が待たれるところですが、旧著はネットで購入できます。
講演会の数日前の4月30日、NHKではスペシャル番組『憲法70年 “平和国家”はこうして生まれた』を放映し、古関さんのコメントも紹介されていました。
この番組広報を以下に転載します。
「日本国憲法の施行から70年を迎える。今、新たな資料の公開で憲法誕生の知られざる舞台裏が明らかになりつつある。たとえば「昭和天皇実録」などの公開浮かび上がった新事実。それは昭和天皇が敗戦直後の昭和20年9月4日、勅語で「平和国家の確立」を明らかにし、憲法改正の調査を命じていたことである。
さらに幣原喜重郎首相が戦争放棄をマッカーサーに提唱。GHQは戦力不保持の草案を作成する。しかし、GHQ草案の条文に「平和」の文字はなかった。では、どこから来たのかー。番組では、近年、発掘された新たな資料をもとに、日本国憲法が誕生していく1年8か月を描く。
増補版の p237には、今の世相そのままの様子が描かれていましたので、
以下に紹介します。
『昭和天皇の開戦詔書が明白に示しているように、いつの時代も「戦争」は突然起こるものでもないし「笑顔のファシズム」という言葉があるがごとく「戦争」は「平和」とともに「仲良く」手を携えてやってくる。従来、このような指摘がなかっただけに、鈴木の憲法施行当時の「歴史の教訓」は記憶に値するものと言えよう。』
(宿六)
NHKスペシャル「憲法70年 “平和国家”はこうして生まれた」
NHK・オン・デマンドでドキュメンタリーが公開されています
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586919/