日米軍事演習 許すな!大分県・日出生台で、危険なオスプレイも参加

日出生台演習場ゲートを出る軍用車両。住民の生活道路でもある。

日出生台演習場ゲートを出る軍用車両。住民の生活道路でもある。(写真はすべて『ローカルネット大分・日出生台』のフェイスブックより)


日出生台演習場内で離発着するオスプレイ。ここは演習場内ではあるが、近くに地元住民の居住地区もある。

日出生台演習場内で離発着するオスプレイ。ここは演習場内ではあるが、近くに地元住民の居住地区もある。

陸上自衛隊と米海兵隊の大規模合同演習「レゾリュート・ドラゴン23」が10月14日から31日まで行われた。場所は熊本や大分、宮崎、沖縄、北海道など日本各地の陸上自衛隊健軍駐屯地や演習場だ。以下は大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会からの報告である。

10月14日から31日までの日程で、日米合わせて4200人が参加した合同訓練が行われた。日出生台(ひじゅうだい)や十文字原(じゅうもんじばる)、大在埠頭とそれぞれを結ぶ公道が使用された。沖縄島との人員・物資の輸送や演習場での実弾訓練、さらに欠陥機オスプレイも使用された。演習場内とはいえ、オスプレイの発着訓練は、地元地区住民の居住地のすぐ近くである。住民の安全や安心を無視した訓練であった。

さらに銃器を携行した米兵が演習場外を闊歩する姿も見られた。地元には米兵犯罪の恐怖の記憶もある。あまりに配慮が足りない。この時期は地元の酪農家にとっては採草の時期でもある。演習のために仕事が奪われ、ひいては牛の生育にも影響を及ぼす。また、日出生台では、その美しい自然が日米の軍用車両によって踏みつけられ、実弾により山肌がえぐられることにもなった。

演習に関する情報がほとんど開示されなくなってきている。8回目となる今回、米軍の大分入りに際して国から地元自治体へ伝わるのが初めて事後となった。米軍の安全確保が理由という。地元住民の安全安心、知る権利がないがしろにされている。

大分県によると、在沖縄米軍海兵隊の先発隊約50人は11、12日に日出生台へ入り、15~17日に本隊の計約千人が着いた。国側から県と由布、九重、玖珠の3市町に連絡が入ったのはそれぞれ到着後の夕方だった。翌日の夕方になることもあった。今年2月の7回目訓練では、米軍が県入りする直前には伝わっていた。初回の1987年は、ルートを含めて数日前に示していた。伝達のタイミングが変わったことについて九州防衛局は「ロシアのウクライナ侵攻など世界情勢が変化しており、米軍のセキュリティーのため」と説明する。そんなに危険な演習なら、やめるべきだ。

2018年の6回目訓練から導入された輸送機オスプレイの情報についても、飛来する機体数などは伏せられ、前日に飛行の有無を知らせるだけにとどまった。住民からも不安の声が上がった。玖珠町日出生の自治委員衛藤和秋さん(66)は「情報が乏しくなった。すぐ近くで米軍が何をやっているのか分からず、怖い」と話す。演習場は戦後、米軍に接収された時期があり、兵士による住民への性的暴行や窃盗事件が起きた。演習場北側で畜産業を営む衛藤洋次さん(63)は「住民にはつらい記憶が残っている。情報は安心のよりどころであり、国も県も真剣に考えてほしい」と憤る。不測の事態が生じた際に対応が遅れる。住民の安全安心を守る責務を果たしていない。

大分は、2月に陸自大分分屯地(通称敷戸(しきど)弾薬庫)への長射程ミサイル用の大型弾薬庫建設計画の発表に続き、湯布院駐屯地へのミサイル連隊配備計画が公表された。そのような中での今回の日米合同訓練である。さらに、11月10日~20日には、同じく日出生台を使った陸海空統合訓練も予定されている。この訓練では、福岡県にある航空自衛隊築城基地が攻撃される想定のもと、民間の大分空港が離発着訓練に使われる。

国の大軍拡の火の粉が、今、大分に降り注いでいる。戦争の被害と加害がすぐそこに迫っている。全国の皆さんに関心を寄せていただき、大分、ひいては全国の戦争国家化に歯止めをかけていきたい。

(大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会 運営委員  池田年宏)

上下とも日出生台演習場での訓練の様子

上下とも日出生台演習場での訓練の様子