統一協会にお墨付きを与える「安倍国葬」

講演する鈴木エイトさん

講演する鈴木エイトさん(You Tubeより)

10月24日に参議院議員会館で<安倍「国葬」を検証する>集会が開かれた。主催は浅野健一さん、上野千鶴子さん、落合恵子さんなどを呼びかけ人とする<安倍「国葬」やめろ!実行委員会>で安倍国葬後の政治動向などが話し合われた。

安倍国葬反対の声と運動は社会的におおきな盛り上がりを見せたが、国葬後をどうするのか、運動をつなげていけるのか話し合ったほうがいい、と柳田真氏(たんぽぽ舎)が最初に主催者代表としてあいさつした。その後はジャーナリストの鈴木エイト氏、ジャーナリストの浅野健一氏、評論家の佐高信氏の講演があった。ここでは鈴木エイト氏の講演を紹介する。

鈴木エイト氏 

統一協会はひどい団体なのだが、こういう問題を放置してきた政治の問題がある。山上徹也という容疑者についても、彼は信者ではないのだが、家庭が崩壊させられた被害者でもある。救済されることがあれば変わったのかもしれない。政治の問題がおおきい。

警察は統一協会に対して強制捜査に入る予定があった。2009年には渋谷にある組織の手入れが入っていた。統一協会が警察官僚に泣きついたといわれている。

事件後の報道当初は岸信介と文鮮明の名前がでてきた。供述の報道からそこまでしかなった。安倍晋三と統一教会の関係を知っている方がいなかった。

2000年はじめまでは安倍晋三と統一教会は緊密ではなかった。ジェンダーバックラッシュの時に宗教右派と共鳴関係があったが、その運動のなかで結びついたのではないか。2005年の時に統一教会の文書がでてくる。

2010年に山谷えり子に投票支援などをおこないか自民党との関係が明確になっていた。2013年の選挙のときに安倍晋三と関係が密となったのではと推察する。統一教会内部文書で北村さん(北村経夫氏:参議院議員・山口県選挙区)を投票させるという文書が出た。

統一協会に対して安倍首相じきじきの投票依頼があった。北村さんは統一協会に講演もしていた。大規模な集会にも自民党が参加するようになっていた。文化庁は弁護士団体から統一協会からの名称変更を受けたないようにとの申し入れがあったにもかかわらず変更されたのも。下村博文の指示があったと言われています。

2016年11月に学生たちが「安倍政権支持共産党反対安保法制賛成憲法 改正」という活動をはじめます。当時のシールズとの対抗で生まれます。学生たちに聞いてみると国際勝共連合が指導していると話している。

ほとんど学生たちは統一協会の二世たちでした。私が取材していたときに騙されることもでてきた、SNS、フェイスブックの履歴などを改ざんし避けるようになった。取材を受ける時に「言質をとられないように気をつけてください」との内部の通達もあった。

学生の運動を始めるのも政権側の意向もあったのではないか。共産党への対策です。選挙でも野党統一になっていく局面で、自民党が脅威と感じていたのと対応している。

2017年の第4次安倍再改造内閣。ここにですね、もう自民党議員が全部関係していた。国家公安委員長が統一教会と関係を持っていた。

安倍晋三さんがUPFの集会で壇上から統一協会を礼賛したことはショックだった。元首相と統一協会の関係、それを堂々と出してきたんだということ。これまで隠していたものが隠さなくなった。

自民党と自分の政治生命に影響はないだろうと踏んでいたのだろう。赤旗、週刊ポスト、フライデーなどが報道した。メディアで報じたのは4つだけだった。問題視されなった。

山上容疑者が安倍の統一協会演説の映像以外にもいろいろツイッターなどをチェックしていた。教団関係者を狙う事件はこれまでのあったが、政治家にまでいくことは想定されていなかった。悔いが残るところです。

年間数百億円が日本から韓国に流れていて、それが安倍晋三の責任が大きい。「安倍国葬」はおこなわれたことは偉大な政治家が統一協会を応援してきた、と利用されるおそれがある。
(文責編集部)

安倍晋三元首相(写真:ロイターより)

■参考
自民・北村議員と旧統一教会、安倍元首相とのつながり
https://www.data-max.co.jp/article/49998

声明文- UPF-Japan
https://upf-jp.org/archives/2207

旧統一教会関連団体トップに問う 教会と政治、安倍元首相との関わり
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pNnj4kdxEN/