李元栄さん「汚染水流すな!」とソウルから日本まで徒歩行進で訴える

経産省には約300人があつまった

経産省には約300人があつまった


経産省前歩道の集会でスピーチする李元栄(イ・ウォニョン)さん 経産省前歩道の集会でスピーチする李元栄(イ・ウォニョン)さん

9月11日午後に霞が関の経産省本館正門前で、「9・11経産省前テントひろば12周年大集会~海を汚すな!核ゴミ増やすな!脱原発を!~」が開かれた。

この集会には、海洋放出反対の徒歩行進で韓国のソウルから東京まで1600キロを歩き、衆議院議長宛ての請願書を提出した李元栄(イ・ウォニョン)前水原大学教授(都市工学)をはじめ、河合弘之弁護士、鎌田慧氏(ルポライター)、福島みずほ社民党党首、そして座りこみを続けるメンバーたちから発言があった。

その後は日比谷コンベンションホールに場所を移して「李元栄さんのお話を聴く夕べ」が開かれた。主催は李元栄氏の徒歩庚申を応援する会。

はじめに李元栄さんのソウルから日本まで86日間1600キロの徒歩の記録を映像で振り返り、その後話を聴いた。

李元栄(イ・ウォニョン)前水原大学教授

李元栄(イ・ウォニョン)前水原大学教授


李元栄(イ・ウォニョン)前水原大学教授

日本にきて人々を観察しています。男は車のなかにいます。無視するか手を振るかです。ハルモニや子どものいる女性は反応が早いです。そこに重要な鍵があるのです。

6年前に脱核シルクロードを歩きました。そしてダライ・ラマに会いました。2019年には正教会の大司教と会いました。いろいろ励まされました。韓国と日本では市民交流がありますが、一緒にひとつのことをやるのは難しい、原発に関しては運命共同体です、一緒にやれば相乗効果があると思います。また市民運動を継続していくことが皆から信頼を得ることだと思います。

オーストリアは原発建設中ですが国民投票でやめました。ドイツの場合は2011年に国民の議論のすえに脱原発を決めました。ある都市では市議会とは別に市民の議会があり、そこで市議会に提言して脱原発を決めたのです。福島原発をみて市民が決めたのです。

市民たちが議会・議員をモニターして市民に知らされています。スイスでは国民が政策について国民投票をおこなっていあす。イタリアでも国民投票で原発を止めました。民主主義が生きている国は国民が原発問題を決めることができます。

わたしの専門は都市工学ですが、国土に関わるので、原発政策に関心を持ちました。日本でも韓国でも国民は無視されてきました。

原発は安全の問題がすべての住民に関わります。原発の計画と建設する過程で国民の意見が関わらないということはありえない。原発が建設されるには国民の同意が必要です。

「子どもが危ない、汚染水を流すな」とアピールしてきました。それは私たちが悪いことを見逃していれば、子どもたちはそれを真似する。原発は現役世代が未来の世代に悪いものを転嫁する、そういうシステムです。子どもたちは大人たちの世代に対して犠牲を転嫁してもいいと考えます。それでは未来はありません。

(文責編集部)

李元栄さんとともにソウルから一緒に訪れた仲間たち

李元栄さんとともにソウルから一緒に訪れた仲間たち