イスラエルのガザ攻撃を止めろ―国際社会の大転換をむかえて

共同テーブル主催の「新しい戦前にさせない」連続シンポジウムの8回目は、「なぜ、いまガザ攻撃なのか 世界史におけるパレスチナ/イスラエル問題」と題して、1月18日14時から衆議院第1議員会館で開かれ220人が参加した。

司会は纐纈厚さん(山口大名誉教授 共同テーブル発起人)、パネリストは小田切拓さん(ジャーナリスト)、羽場久美子さん(青山学院大名誉教授)、前田朗さん(朝鮮大学講師・共同テーブル発起人)が報告した。ここでは羽場久美子さんの報告を紹介する。

シンポジウムで答えるパネラーの人々

シンポジウムで答えるパネラーの方々(画像は全てyou tubeより)


羽場久美子さん(青山学院大学名誉教授)

羽場久美子さん(青山学院大学名誉教授)

羽場久美子(青山学院大学名誉教授)
「国際政治から見るパレスチナ・イスラエル問題――欧米のイスラエル建国の原罪
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イスラエルはハマスをテロとして2万4千人(1月9日現在)を超える人が殺されている。ガザという集団監獄のなかで殺戮を止められない。「ハマスはテロリスト」と言うがハマスは 2006年にガザの選挙で選ばれた政体だ。民主主義が問われる事態だ。

即時休戦求める国連決議に121か国が支持しましたが米国、イスラエル、ウクライナなど14か国が反対した。国連事務総長は緊急即時停戦を求めたが、米国が拒否権を発動したが新聞は批判できない。

●イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル―パレスチナ問題はイギリスのアラブ諸国、ユダヤ人、パレスチナ人を相手にしたイギリスの第一次大戦以降のフセイン・マクマホン協定、サイクス・ピコ条約、バルフォア宣言という「三枚舌外交」に起因する。その後イスラエルの占領地は拡大しつづけてきた。

「二国間共存」と言われながらイスラエル国家はパレスチナを占領してきた。パレスチナも大半を占領されながら国連で承認されている(米英日は未承認)。

米国では若者が停戦求め声をあげたが、ユダヤ系資本が抗議行動を容認した各大学に財政援助停止で圧力をかけ、学長を辞任させた。メディアにも資金凍結を脅しに黙らせる。

イスラエルについて背景には時代錯誤の植民地政策がある。先住民の文化を否定した。植民地の白人支配が続いている。欧州ではイスラエル批判できない。ホロコーストの記憶によりイスラエル支持となっている。

ユダヤ人迫害の歴史がなかった日本こそ、イスラエル批判をすべき。イスラエルの若者はガザ攻撃に批判的である。非人道的な攻撃を許さないと言っていかなければならない。国際社会の8割がイスラエルに批判的である。


●世界の構図そしてこれから

ロシア悪、ウクライナ善という構図だ。米国がウクライナを軍事支援をしているがそれが揺らいでいる。ウクライナ内部でも問題が発生している。若者が離脱して戦争を続けられない。

英米が劣化ウラン弾・クラスター爆弾を供与している。ウクライナ東部で使用すれば放射能の影響や不発弾の問題が発生する。米国がウクライナを人間の住む地域と見ていないのだろう。

欧州ではウクライナの停戦要求が広まっている。それに英が棄権し、米国が応えない。欧米が中心はごくわずかなの時代だった。そして人口もあと少しで1割となる。そのような少数の人々に動かされていいのだろうか。

日本はアベノミクスのなかで国力が落ち込んできた。賃金も下がっている。経済状況も良くない。2075年には経済的に追い抜かれて12位に転落する。40年後には労働力半減する。

能登半島で地震が起きているときに軍事演習をしていていいのか。米国からミサイルを購入していいのだろうか。世界の大転換が始まっている。

イスラエルは中東・アラブの世界で生きていけるのか。日本はアメリカにしがみつくのでなく、ぜひ新しい国際関係に依拠して。今の状況を分析しなおさなければならない。戦争準備をして武器を購入しているときではない。対話と協同こそが今必要である。

(文責編集部)