日本政府・企業は韓国元徴用工の訴えを受け止めろ!

韓国から弁護士が参加し報告した

韓国から弁護士が来日し報告した

11月11日水道橋のスペースたんぽぽで、「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」結成集会が開かれ、日本各地から80人が参加した。

「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」は、8月に韓国で植民地支配の清算と日本による謝罪・賠償の実現をめざして「強制動員問題解決と対日過去清算のための共同行動」が結成されたことを受け、これと連帯する日本での取り組みを進めようと、韓国の徴用工問題など強制動員・強制労働に対する企業責任追及裁判支援団体などが呼びかけていたもの。

集会には、10月30日韓国大法院で新日鉄住金に元徴用工への賠償を命じる画期的な判決をかちとった弁護士2人が韓国から来日して報告した。

金世恩(キムセウン)弁護士は「判決の核心は『植民地支配・侵略戦争遂行と直結した反人道的な不法行為』と認定したこと。新日鉄住金が自らの企業行動規範『各国の法律を遵守し、国際規範・文化等を尊重して事業を行います』に基づいて判決を迅速に履行するよう期待する」。

林宰成(イムジェソン)弁護士は「今原告は94歳です。我々は新日鉄に協議を打診しました。新日鉄の財産については差し押さえが可能です。我々は協議を望みます。被害者・遺族を対象に追加訴訟の説明会を年内に行い、集団訴訟代理人団も構成していきたい。より多くの方が参加するためには、共同裁判のほうが判りやすいかも知れない」と述べた。

崔鳳泰(チェボンテ)弁護士は 「この判決をきっかけとして、包括的解決を望みます。日本は大本営発表をそのまま報道した戦前と全く同じ状況で、健全な世論が必要だと感じます。従軍慰安婦問題、強制動員の問題など問題が未解決です。新日鉄は97年に釜石製鉄所の元徴用工と和解し、2012年の株主総会では『判決が確定すれば従う』と明らかにした。株主が行動すれば解決できるはずだ」と語る。

金敏喆(キムミンチョル)韓国「共同行動」運営委員長

金敏喆(キムミンチョル)韓国「共同行動」運営委員長

金敏喆(キムミンチョル)韓国「共同行動」運営委員長は「強制動員の背景が大法院判決は被害者の権利を確定した。これは南北対話など国際情勢の変化があり、過去の問題を解決できる情勢や環境が整った」。

「個人の請求権が無くなったというのは外務省の一貫したウソ。1965年の日韓請求権協定(日韓基本条約)の法的体制が破産宣告を受けた。日韓だけでなくサンフランシスコ条約体制の破綻ではないか。東アジア全体に影響を与える。それに対して安倍政権は極端な反応で、見直す必要がある」と指摘した。

以上の報告を受けて質疑・討論が行われ、各地の戦後補償訴訟などに関わる運動体から現状報告や政府・マスコミ報道を批判する声が相次いだ。「朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動」の矢野秀喜さんが行動提起をおこない。大法院判決の正当性を訴え、被害者への謝罪・補償を実行させるため、(1)対政府行動(2)対企業(新日鉄住金・三菱重工)行動(3)メディア・世論対策―に取り組んでいくことが確認された。
(編集部)

■参考
元徴用工の韓国大法院判決に対する弁護士有志声明(pdf)http://justice.skr.jp/statement.html

韓日の市民団体、「強制徴用問題の真の解決」に共同行動(日本版「ハンギョレ」2018年11月12日)http://japan.hani.co.kr/arti/international/32079.html
「徴用工判決 日韓政府は政治の知恵を」信濃毎日新聞(2018年12月4日社説)https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20181204/KT181201ETI090003000.php

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