レイシズム検閲反対! 東京都人権局へラップを叩きつける。
2022年8月30日から11月30日まで、東京都の指定管理施設である東京都人権プラザ(公益財団法人東京都人権啓発センター)の主催事業として、アーティスト・飯山由貴の企画展「あなたの本当の家を探しにいく」が開催された。しかしその中で映像作品《In-Mates》(2021年)が、作品内で扱われる関東大震災時の朝鮮人等の虐殺事件を歴史的事実とすることへの懸念などを理由として、東京都総務局人権部(以下人権部)職員たちにより、上映が禁止された。
この処置をめぐって、不当な検閲であるとして抗議の記者会見や人権部に改善を求める主旨のオンライン署名は、3万筆の賛同を集めた。そして、都知事に対して本件の調査と説明を求め、人権部による検閲の確認と謝罪、東京都人権啓発センターの専門性を尊重、上映の実施を求めるという内容の要望書と3万筆の署名を2023年3月1日に人権部へ提出した。残念ながら都・人権部からの応答はまったくなく。労働組合アーティスツ・ユニオン(プレカリアートユニオンアーティスト支部)を通じ、飯山由貴さんは要望書への回答と話し合いの場の設定を求めているが、人権部はこれをすべて無視し、回答を拒絶し続けていた。
このような無反応の人権部に対して、6月27日から9月1日まで都庁前で抗議行動が組まれた。
https://precariatunion.hateblo.jp/entry/2023/08/17/211701
8月10日は17時半から開始され、リレートークが続けられた。マイクは外村大さん(東京大学教授)、明戸隆浩さん(社会学者)、飯山由貴さん(アーティスト)へと渡されてFUNIさん (詩人/ラッパー)のラップで締めくくられた。
外村さん 映像のなかで「朝鮮人が虐殺されたのは事実」という発言がひっかかったようです。都庁の職員が義務教育レベルの内容は否定していいです、というのはいいのだろうか。人権に関わる問題はいのちに関わる、そういう認識の職員でいいんですか、考えてほしい。
人権部への申し入れから戻った飯山由貴さんは、これまでの人権部のあり方により新たなヘイトスピーチが生まれていることを指摘して、そのオンライン投稿を資料として人権部へ提出し、要望書を手渡そうとしたが、しかしすでに済んだこととして受け取り拒否にあいけんもほろろだったことを報告した。
最後にラッパーのFUNIさんが人権部の対応を批判し。~弱いものを踏みつけることに気づかえ 痴呆症じゃねぇ 100年後、なにひとつ説明できない 「朝鮮人帰れ」というネットの声 お前らもひとつの声~ と下半身に響くビートに乗せ東京都庁のタワーへ向けて怒りのラップを叩きつけた。
(編集部)
なおオンライン署名も引き続き賛同者を募っています。ぜひご賛同ください。
オンライン署名はこちらから https://chng.it/vnSfwdxYcL