横浜事件をたたかって…。「治安維持法」を告発する

「治安維持法の時代を考える 横浜事件・生活図画事件・植民地弾圧」チラシ

「治安維持法の時代を考える 横浜事件・生活図画事件・植民地弾圧」チラシ

2023年12月19日~24日まで西武池袋線の江古田にあるギャラリー古藤で「治安維持法の時代を考える 横浜事件・生活図画事件・植民地弾圧」という企画展が開催された。

これは横浜事件の国賠訴訟の原告であった木村まきさんの企画だったが、夏に急逝されその追悼としても開かれた。

木村まきさんは横浜事件の当事者として弾圧を受けたジャーナリスト・木村亨さん(元中央公論編集者)と結婚されてともにたたかってきた方だ。

今回の展示では横浜事件の貴重な資料・日記・手帳と北海道旭川などで起きた「生活図画事件」に関わった、今年102歳になる菱谷良一さんの絵画。また、荻野富士夫さんが研究している朝鮮・台湾での治安維持法の資料も展示された。さらに映画の上映、トークイベントを通じて治安維持法の時代を今に問いかけるものとなった。

12月19日のオープニングイベントでは18時半よりギャラリー内で、永田浩三(武蔵大学教授)さんが挨拶も兼ねて企画趣旨とこれまでのいきさつなど、そして木村まきさんの人となりを話した。

■永田浩三さん

戦時中に細川嘉六さんが編集者を集めて慰安旅行をして富山県の旅館で、記念写真を撮影しました。そこにいたのが中央公論の木村亨さんです。それが共産党再建の謀議として挙げられてました。

木村亨さんたちが、なぜこんなに再審請求がかかるのかとして、国家賠償請求をおこないました。私は秘密保護法が成立してゆく段階で彼女に会いました。

治安維持法ですが、たくさんの人が狂わされたり、殺されたりしました。そのなかに三木清がいます。『人生論ノート』などが読まれています。彼が亡くなったのは戦後(9月26日)ですた。遺体を引き取ったのは当時岩波書店にいた布川角左衛門でした。

木村亨さんはジュネーブの人権委員会にいって、拷問のシーンを再現していました。拷問されたときの決まり文句は「小林多喜二のようになりたいのか」でした。

木村まきさんは、木村亨は夜寝ている時にうなされていました、拷問の傷をずっと引きずっていて、そのことを知らされたと語っていました。

(文責編集部)

ギャラリー古藤で木村まきさんを語る永田浩三さん You Tubeより

ギャラリー古藤で木村まきさんを語る永田浩三さん。 You Tubeより