韓国映画『1923 関東大虐殺』が完成。特別試写とディスカッション
韓国のドキュメンタリー映画『1923 関東大虐殺』の特別試写と、製作者によるトークディスカッションが、2024年5月13日、千代田区・参議院議員会館で行われた。これは韓国の映像制作会社インディコムが4年前から製作し、今年度中の公開を予定している。それらに先立ち、製作スタッフと関東各地で虐殺事件を調査し犠牲者を追悼してきた市民団体関係者や日本で学ぶ留学生らが参加して開かれた。
映画に協力した関係者の紹介があり、立憲民主党の杉尾秀哉参議院議員、社民党党首の福島瑞穂参議院議員、関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会代表の山本すみ子氏、一般社団法人ほうせんかの西崎雅夫氏、有田芳生元参議院議員、日朝協会埼玉県連合会会長の関原正裕氏から挨拶があった。
そして、この映画は4年前から制作をはじめて、100年の2023年に間に合わせる予定だったが、完成が遅れたことを主催者から明かされた。試写会後にはキム・テヨン監督、チェ・ギュソク共同監督、リー・ジンヒ教授(イースタン・イリノイ大学史学科)プロデューサーなどで質疑応答が行われた。
主催者からは山田昭次(立教大学名誉教授)さんに面会したことを話して、日韓の協力は可能だと語った。
監督からは、テグに住んでいるある写真の収集家が、自分の収集した写真を見せたいということだった。ジョージ・ロスが撮ったと思われる写真があります。真偽はわからないが写真がなぜ知られていないのか、問いかけたいという。
(ジョージ・ロスはイギリス人の財産を調査するという目的でチームを組んで、横浜市内で調査した)
共同監督からは、韓国の国会で5月7日に上映をしました。とても大勢の方に見ていただいた。韓国と日本がよい関係になると思います。と明かされた。
この映画に資料などで協力したリーさんはこの映画を未来のための映画だと以下のように語った。
「この映画は悲しい映画ではなくて、いろんな日本の方々が一生懸命に調査、研究して。追悼していく。意思と力をつけていこうとしていく学びの映画です。美談だけではなく過去について将来についてどういう姿勢をとるのか、人類のためにどう教訓を得るのか、日本がどういう道を見いだせるのか、そういう視点でみれば希望的な映画だと思っております」
(文責編集部)