泣き寝入りだった米軍犯罪「なぜ米兵の事件を日本で裁けないのか」

キャサリンさんはこれまでの米軍犯罪をリスト化して張り合わせて示した
10月10日(木)連合会館201会議室において、講師にキャサリン・ジェーン・フィッシャーさん、飯島滋明さん、清水雅彦さんを迎えて「日米地位協定の不条理を問う!10.10集会」が開かれた。主催は戦争をさせない1000人委員会。
飯島滋明さん(名古屋学院大学教授)は、「岸田政権は、米兵性犯罪事件を『隠ぺい』した。その理由として『プライバシー保護』などを理由に挙げているが、口実であり、むしろ6月の沖縄県議会選挙、6月23日の慰霊の日などを穏便にさせて、政府に都合よくすすめるため、事件を隠ぺいした。刑事手続きで米軍関係者を有利に扱う『日米地位協定』の改定、『裁判権放棄密約』廃棄など米兵犯罪をなくすことが重要」と語る。
キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんは自己紹介をして、横須賀でレイプされたことを話した。なお、近年は作家・アーティストとして、性暴力被害者支援の活動をしている。
私はオーストラリア人です。2002年に暴行されて、刑事事件は不起訴となった。神奈川県警はウソをついていた。被害者なのに扱いもひどく、PTSDにより精神的にも不安になり、ひどい影響がでた。犯人は逃げて、裁判はできないと言われてた。
2004年に民事訴訟では勝訴した。加害者は除隊していて、米国に戻っていた。賠償金は払われなかった。
2008年に沖縄の女子暴行事件が起きて、抗議が盛り上がった。「米兵によりあらゆる事件・事故に抗議する沖縄県民大会」に参加して、女性は悪くないとスピーチをした。沖縄の女性が手をつかんできた。
2009年には著書『自由の扉』(御茶ノ水書房)を出版した。2012年に加害者の所在をつきとめて、米国で裁判をして、1ドルの勝訴をした。その後は国連でスピーチ(2019年、2022年)をした。
2008年には防衛省から見舞金が出たが、日本の被害者には約8割方、見舞金は出ない。また裁判所ではスクリーンを要求した。被害者へのケア・尊厳はない。
清水雅彦さん(日本体育大学教授・憲法学)は、米軍がかなり自由に日本を飛び回っているが、明確な規制がないことを批判した。そして羽田空港の離発着の飛行が不自然になっている「横田空域」の問題も指摘した。
また、日本政府は思いやり予算で米軍を支援しているとして、石破首相が日米地位協定の見直し、対等にすべきとの発言しているが、それ以上のことは言わない、と批判した。
国民世論を形成しつつ、日米地位協定の改定を目指す政権交代が必要だと強調した。
(文責編集部)