大分から警鐘を鳴らす。住民無視の危険な戦争準備・ミサイル弾薬庫!
10月26日(土)九段下神保町ビジネスセンターカンファレンスルームにおいて、「命(ぬち)どぅ宝 団結まつり」前夜祭として<全国で建設進む「長距離ミサイル用大型弾薬庫」が超危険!!>が、九州・大分から葛城知明さんを迎えて開催された。主催は横須賀ピースフェスティバル。
はじめに基調報告として、10月23日から11月1日まで日米合同演習「キーンソード(鋭利な剣)25」が開始されて、対中国戦争を想定した演習を南西諸島に見立てていることを指摘。
この演習は米軍1万2千、自衛隊3万1千、日米艦艇約40隻、航空機約370機、そしてカナダ、オーストラリアの軍まで参加しているという。2021年3月の米国インド太平洋軍新旧司令官2名の「中国の台湾侵攻が2027年までにある」という発言から、自衛隊「南西シフト」が急速に展開、九州・西日本の兵站が拡充した。岸田内閣は2022年12月に「安保関連3文書」を閣議決定し、敵基地攻撃能力を明記し防衛政策の大転換を打ち出した。経済安保と軍事費拡大、軍事要塞化がまるごと進んでいるなか、反撃するたたかい、地域から戦争拒否・非協力の動きを作り出して行こうと呼びかけがあった。
葛城知明さん (「大分敷戸ミサイル弾薬庫建設を考える市民の会」事務局次長)
陸上自衛隊大分駐屯地、通称「大分敷戸弾薬庫」に長距離ミサイル保管のための弾薬庫の新設が発覚した(2023年2月15日)。ここから反対運動が始まる。
小学校区連合自治会、校区自治会長らに九州防衛局が説明会を開く(2023年5月23日)。11月2日には敷戸小学校で住民説明会。11月19日には工事着工、12月22日には大型弾薬庫が7棟増設発覚。なお8月11日には「大分敷戸ミサイル弾薬庫を考える市民の会」が発足した。
敷戸弾薬庫が提起した諸問題
敷戸南保育所まで約400m、病院、学校、市街地家屋なども550mという距離。万が一の事故の場合や、消化できないときは600m圏外へ直ちに避難(自衛隊の規則)するという。住民はどうなるのか。
国際人道法(ジュネーブ諸条約第一追加議定書第58条)違反となる。戦時状況下では「人口の集中している地域またはその付近に軍事目標を設けることを避けること」とある。基地などの移動困難な施設は、平時において避けなければならない。
重要土地規制法(2022.6)は自衛隊の基地、原発など安全保障上、重要な地域での土地利用の規制をする。施設の周囲およそ1キロ内の土地、離島を「注視区域」に定める。プライバシーの侵害や(憲法13条)、宗教・政党に属する人へは(憲法19条)、土地利用を制限、所有者移転の事前届け出など(憲法29条)それぞれ問題がある。
九州・沖縄など「台湾有事」を口実に対中国戦争を口実に日本全土が軍事基地化する。大分市では「軍事力強化は国の専権事項」というが、市民の力でゴルフ場跡地の軍事訓練場を撤回させた事例もある。各自治体は住民の命と暮らしを守るために主体的に発言・行動すべきだ。
沖縄が戦場になったときに、沖縄先島諸島からの避難計画は荒唐無稽である。12万人を6日間で九州・山口に避難させるという。沖縄本島は屋内に避難するという。大分県は国へ受け入れを34万6千人としているが疑問だ。
長距離ミサイルはブースターを搭載すると思われる。切り離す時に有毒ガス(塩化水素ガス)が発生する。そのときの周辺の住民にも影響がある。
「安保関連3文書」を閣議決定し(2022年12月16日)、軍拡が加速化した。敵基地攻撃能力を明記し、地方自治法の改悪し、財界・マスコミなども軍拡シフト。経済安保と軍事費拡大、軍事要塞化が進行している。あらゆる分野が準政治体制に改編されていく。これまでになかったこと。
私たちは学習会を開いた。米国・G7軍拡の背景を。大航海時代(1400年~)から産業革命、帝国主義、ふたつの世界大戦、新自由主義へと至る西欧中心の構図が衰退した。それでも軍事・情報はまだまだ米国が優位である。ウクライナ戦争はロシアの取り込み、中東はイスラエルを尖兵とした米国・G7の覇権だろう。東アジアは韓国・日本となる。
米国・G7軍拡は対中国への牽制であり、世界覇権・収奪をを維持するためのもの。戦争も辞さないという姿勢。そのためには米国一国ではなく、ウクライナ=NATO、イスラエル、日本、フィリピン、韓国を巻き込んで戦争をさせる体制を維持する。
全国の仲間と連帯して、東アジアで戦争をさせないたたかいを! 米国の世界覇権を許さず、日本政府には平和外交と友好こそが重要であることを示し、戦争準備、未曾有の軍拡をやめさせ、国家予算を庶民の命と暮らしに振り向けさせなければならない。
(文責編集部)