パレスチナを救え!イスラエルはガザを「反開発」した

早尾貴紀さん(「じんぶん堂」ウェブサイトより)
12月11日に池袋のとしま区民センター(Hareza池袋)会議室において、講師に早尾貴紀さんを招いて「12.11北部共闘秋季シンポジウム なぜイスラエルによるガザ虐殺を止められないのか」が開かれた。主催は北部労働者共同闘争会議。
早尾貴紀(東京経済大学教員)
今のガザ地区は死者5万人で、医療品もないなか病人も死ぬしかない状況で、居住空間も面で破壊されて、食料も乏しい。水などもイスラエルが人間が生存できるかどうかギリギリの制限をかけている。
パレスチナ問題は難民としてのユダヤ人が欧州から締め出されてユダヤ人国家としてイスラエルをつくり、今のイスラエルに住んでいた人々が。ヨルダン川西岸とガザ地区に追いやられた、ということ。
19世紀の帝国主義の時代では、アフガニスタンやイラク、シリアなどをどこが押さえるか、英国、フランスやロシアなどで争っていた。ヨーロッパ列強の中東地域の植民地主義的介入がある。
シオニズムは植民地主義・人種主義・国民主義がベースにあり、ヨーロッパ文明をアジア・アフリカの野蛮から守るという面もある。ヨーロッパ中心主義とのつながりがある。
パレスチナで第一次インティファーダ(1987年)があり、その後は組織抵抗運動が続く。オスロ平和合意(1993年)によりPLOは「和平」パートナーとしてイスラエルを認めて、自治政府として承認された。その自治は占領行政の下請け状態であった。入植・土地収奪は続けた。
イスラエルはガザ地区を「反開発」し、生活基盤を潰しておきます。そして安価な労働力としてのパレスチナ人をつくっていく。
パレスチナ民衆の不満が爆発し、第二次インティファーダ(2000年)が起きる。パレスチナ民衆はオスロ体制を批判するハマースを支持するようになる。
選挙結果によりハマースが支持されるが、イスラエルと米国はファタハを支援して、ヨルダン川西岸を支配下において、ガザ地区を封鎖して分断した。国際社会はハマース政権を拒絶する。反オスロ合意なので受け入れられない。
イスラエルはガザ地区を攻撃しているが、そしてヨルダン川西岸地区への隔離・支配・収奪が加速化している。PLOを無力化させ、イスラエルの中東構想にはパレスチナの存在は消されている。ネタニヤフの頭の中だけではなく昔からだ。
米国とイスラエルが描いているのは、エルサレムの占有とパレスチナ人の追放だろうが、世界中のユダヤ人は今のイスラエルを支持できない。アラブ世界でも民衆は反イスラエルである。世界の歴史のなかでは反植民地・反人種主義の流れ、ダーバン会議、BLMの流れがある。
(文責編集部)