パレスチナ・ガザで人間の尊厳をまもるということ。

パレスチナガザ連帯活動紹介(当日資料より)
2025年2月1日、新宿において北海道パレスチナ医療奉仕団団長の猫塚義夫さんの「パレスチナ、ガザ・西岸の現状と私たちに提起されていること」と題する講演が開催された。これは東京反核医師の会第37回総会の記念講演である。

パレスチナ・ガザの現状(当日資料より)
ガザの状況だが、直接的暴力としては死者約6万名で、女性・子ども2万8千名、ケガ人は11万を超えている。生活・産業インフラ・教育施設が破壊されている。ジェノサイドである。ユーロ・地中海人権モニターによって毎月下旬にガザの被害状況が示されている。
間接的暴力としては、ガザ南部に移動させられた190万人がいて、過酷な避難生活と同時にイスラエルの空爆を受けている。劣悪な生活・衛生環境で感染症(肝炎・ポリオ)など発生している。飢餓から餓死へと移行していて、さらにこの冬は新生児などが凍死することも起きている。
ガザ軍事侵攻後の精神的ダメージが大きい。ガザ地区は閉鎖されたなかで子どもが育っている。さらに軍事的脅威、常に命が奪われる恐怖を感じる。破壊された生活環境と貧困のなかで生活している。第二の「ナクバ」に追い込まれている。
ガザの医師Brushを紹介する。彼は整形外科の医師で、病院の下にハマスの指令所があるという疑いでイスラエルに捉えられ、2024年4月に死体にされた。リフアト・アライール「もし、私が死ななければならないなら」―イスラエルに殺された詩人を追悼して凧揚げをした。
https://note.com/imogine_note/n/nf355ed64d908
あらためてガザは人口230万人で、面積は360平方Km。天井のない監獄として知られていて、封鎖されて17年目です。燃料や下水道などは外部からです。物資も不足して、貧困・失業が通常化し、自殺も多く、麻薬や子どもの身売りもある。
ハマスについては、軍事部門が2.5万人いる。それ以外に治安部門、政治部門、福祉部門があります。ハマスを壊滅させるとイスラエルが言ったがそれは無理だろう。
イスラエルは核保有国、徴兵制なので高校卒業後、男子は3年間、女子は2年間に徹底的にパレスチナへの差別意識を植え付ける。ホロコーストを受けたユダヤ人が何故パレスチナ人を迫害するのかというが、今イスラエルを支配しているのはシオニストという欧米から支援された別の人たちだと思う。
今回のガザ侵攻前の活動も含めて紹介する。ムスリムの施設に行っていたが、キリスト教の老人施設にも行って医療活動をした。村の医療施設に行ってセカンドオピニオンを求められた。NHKの「国際報道2025」でも我々の活動が報道された。

第16次医療支援活動(当日資料より)
ヨルダン川西岸・東エルサレムの状況だが、入植者とイスラエル軍の「入植地」拡大と暴力が続いている。約800人(子ども200人)、逮捕・拘束1万人、ケガ5千人となっている。ジェニン、ヘブロンでは第二のガザになるのでと感じた。
ネタニヤフ政権と軍部の間で溝が生じている。イスラエルのなかでも反戦の意識がでている。入植者の凶暴化とアウトポストという非公認入植地も拡大している。新しい帝国主義に抗わないといけない。
イスラエルの停戦状況は、イスラエル極右への配慮、ガザ支配の有利な条件づくり、大ユダヤ主義「イスラエル帝国」の構想がある(ベン・グリオン運河計画)。
私たちは2024年11月から1ヶ月ほど滞在した。現在は北海道パレスチナ医療奉仕団が入れるが、今回2名が入国拒否にあった。今後はヨルダンに戻り、ヨルダンでの活動、さらにエジプトからの支援となるのではないか。
私たちは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のイスラエルでの活動を禁止した国会決議を撤回し、パレスチナ難民支援を保障することを求めるため、札幌市議会への意見書採択を要求した(2025年1月24日)。人間の尊厳をまもるというスローガンで連帯してやっていきたい。ガザでは生きながら殺されている状況だが、日本の人々とも手を結んで奉仕団を続けていきたい。
(文責編集部)
北海道パレスチナ医療奉仕団 https://hms4p.com

札幌でのパレスチナ写真展
https://x.com/tfpsapporo/status/1890526332733227430
🗓️3月21日(金)~23日(日)
21日(金) 13:00~19:00
22日(土) 11:00~19:00
23日(日) 11:00~17:00