今こそ日中共同声明を活かそう! 米国従属日本の転換を

講演する孫崎享さん
2月11日(水)の午後、柏市豊四季台近隣センターにて、「建国記念の日」反対!2.11東葛集会が開かれた。集会タイトルを《台湾危機で日中戦争!? 今こそ「日中共同声明」を活かそう》として孫崎亨さんの講演があり、全体で40名が参加した。主催は2.11東葛集会実行委員会。
はじめに主催者より、地域で運動している仲間たちが「建国記念の日」に反対する集会を30年ほど続けている。選挙結果には驚いているが、講演テーマは時宜にかなったものとなったのではないか、とあいさつがあり、講師の紹介があった。講師の孫崎享(まごさき うける)さんは、元外交官・元防衛大学校教授で、『戦後史の正体』『日本外交現場からの報告』『日米同盟の正体』など多数の著書がある。
■孫崎享さん
自民党は戦後最大の議席を獲得し、歴代首相の中で最低の首相が最高の議席を獲得した。彼女は選挙中の党首討論に逃げて、あきらかすることはなかった。また、言うこともコロコロ変わっている。
日本人は稲作をして、それは一斉におこなわないといけない、その行動が続いたのが日本だ。民主主義といいつつ権力によって押し付けられた。今はその岐路にきている。
今、日本は日中関係の改善を求めないのが8割だという。1945年9月2日に降伏文書を結んで敗北した。そこから占領軍の言われるがままにおこなう、米国に隷属する体制をつくった。占領軍は去ったが米軍は残りそれが続いている。
冷戦崩壊後に米国一極支配の構造となった。しかし、一極支配構造が崩れつつある時代。トランプ時代となって中国との関係を悪くしているのが日本だ。新聞は親中派と呼ばれる人は取り上げない時代だ。疑問を言う人は消される社会でもある。また、崇められる状況でもある。
日中戦争の中国の被害はどれだけだったか、1千万~2千万の死者、3千万の被害者とも言われる。被害総額は現在の金額で12兆円とも言われる。賠償はどうなったか。1952年に周恩来は言った、軍国主義の被害者は中国と日本の人民だ、だから求めない、という。
1972年の日中共同声明は賠償放棄と台湾問題が2本の柱だ。これが諸原則だと確認されている。日中共同声明については当時の外務省の課長の栗山氏が説明している。それはポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する、というのが日本の立場であった。
ポツダム宣言第八項は「カイロ宣言」を履行すべく、台湾の中国(中華民国)の返還を求めるもので、さらに二つの中国を認めないということは、台湾独立は認めないということだった。当時は自民党は台湾派が優勢で細かい話は官僚だけが知っていれば良いという状況だった。そしてソ連崩壊後は外務省は米国一辺倒となった。だから知られていない。
日中共同声明の立場は、一つの中国(台湾の独立を支持しない)支持と中国の賠償請求放棄は表裏になっていること、米国は尖閣諸島の施政権を日本が持つ現状を認めるが、領有権を誰(中・台・日)が持つかは言わない。周恩来・田中会談で現状維持の棚上げの暗黙の合意を決めた。日中共同声明が破棄状態になれば、棚上げ合意はなくなる。中国は自己の領有権主張に基づき行動する可能性が強まる。
現在世界のGDPで購買力ベース(マクドナルド指標)で見ると、G7よりもBRICSのほうが大きくなっている。そのなかで中国がトップとなっている。トランプ政権になってそのような情報は出さなくなり、見なくなっている。G7の首脳たちがこぞって中国を訪問している。日本にとって中国貿易は20%ほどあるが、中国にとって日本貿易は数%にすぎない。あきらかに今の日本の対中国政策は国益を損なうものだ。
(文責編集部)

