袴田巌さん再審無罪。残酷な死刑制度は今すぐ廃止せよ!
10月13日(日)星陵会館において「響かせあおう死刑廃止の声2024」が開催された。袴田巌さんの再審無罪の判決を勝ち取った袴田ひで子さんがオンラインで挨拶をされ、弁護団事務局長の小川秀世さんの講演があり、その後は死刑囚の作品の講評があった。主催は死刑廃止国際条約の批准を求める
フォーラム90。
はじめに主催者より、10月10日は「世界死刑廃止デー」で、世界各地でイベントが開催されている。袴田さんの無罪確定で日本の死刑廃止を前進させようとあいさつがあった。
アムネスティからは、死刑から無罪確定になり、死刑廃止へ向かう影響は大きいと思う、モンゴルではドルジ元大統領のときに廃止された。その彼がミッションにより2025年に来日予定だがそれを期待する、と語った。
日本弁護士連合会・足立修一氏からは、法務大臣が変わるたびに死刑執行しないよう要請してきた。袴田さんの無罪で、再審制度の不備があきらかになり改善を求めていく、国民やメディアに死刑廃止をはたらきかけていく、と活動報告と取り組みが紹介された。
袴田ひで子さんはオンラインで「私の弟は死刑囚ではない。今その喜びに浸っている。死刑に反対している。人を殺すことは良くない、死刑制度の廃止を願っている」と語り、支援への感謝を述べた。その後は主任弁護士の小川英世さんの講演。死刑囚表現展での死刑囚の作品評に移り、大田昌国さんの司会で五所純子さん、香山リカさん、川村湊さん、北川フラムさん(オンライン)により講評がおこなわれた。
死刑囚の作品展(絵画展)の展示は松本治一郎記念館でも開催される。これは、死刑廃止、死刑囚の再審請求などと、死刑囚の表現展と優秀作品表彰のために大道寺幸子・赤堀政夫基金により運営されている。昨年の松本治一郎記念館の絵画展は多くの人が鑑賞に訪れていた。
小川秀世さん(弁護士、袴田弁護団事務局長)
判決で「捏造」という言葉がでたのは成果だと思う。検察官と警察の共謀とも言っていた。自白強要した。警察が誘導したということが認められた。
刑事司法制度は捜査制度の信頼により成り立っている。警察と検察官の判断でしかないので今のシステムでは限界がある。
見過ごすことのできない問題がある。袴田さんは精神を破壊された。理解してくれたとは思うが、弁護団としても精神を病んだことに対応できなかったか、反省している。
遺体には16箇所の傷がある。強盗ではない。拘束して殺したのではないか。取り調べなどの可視化については録画で冤罪がなくなると思う。検証を可能にするだけでも違うだろう。
証拠の捏造が発覚したら、それだけで無罪としなければならない。
(文責編集部)